打ち上げ4周年のGALEX、M81銀河を撮影

【2007年5月10日 CfA Press Release

NASAの紫外線天文衛星GALEXは4月28日で打ち上げ4周年を迎えた。これを記念して、系外銀河M81の「熱い」画像が公開された。


M81

M81。GALEXが2つの波長の紫外線で撮影したデータを重ねた疑似色画像。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/J. Huchra (CfA))

2003年4月28日に打ち上げられて以来、紫外線天文衛星GALEXは、銀河や恒星の形成史を調べるために何千もの画像を撮影し、無数の銀河を写し続けた。こちらの画像は打ち上げ4周年を記念して公開されたもので、数ある銀河の中でも有名なM81(解説参照)を撮影したものだ。

M81はおおぐま座の方向1200万光年の距離にある渦巻銀河で、すぐ近くに存在する銀河M82とともに春を代表する天体として天文ファンに人気がある。両者は実際の距離も比較的近く、数億年前には衝突を経験しているらしい。この画像にはM82の姿はないが、衝突の結果生まれたと見られる小銀河Holmberg IXがM81の左隣に写っている。

この画像は2種類の紫外線で撮影したデータに疑似色をつけて重ね合わせたものだ。青は比較的波長が短い紫外線で、若い恒星からの光を反映している。一方、黄色は波長が長い紫外線で、どちらかといえば年老いた恒星の光だ。M81の渦巻は、くっきりと青で浮かび上がっていて、若くて文字どおり熱い恒星が次々と生まれていることがわかる。Holmberg IXも青の紫外線で明るく見えていることから、サイズのわりには活発な星形成が起きているようだ。

M81 / NGC 3031

おおぐま座の頭部にある渦巻銀河。わずかに0.6度ほどの間隔でM82(不規則銀河)と並んでいる。天の北極に近く、ほぼ1年中見られる。初めて回転速度が計測された渦巻銀河で、秒速300キロメートルとされている。(「ステラナビゲータ Ver.8天体事典」より抜粋)