板垣さん、今年自身4個目となる超新星2006epを発見

【2006年9月1日 CBET 609 / VSOLJニュース(156) / 国立天文台 アストロ・トピックス(236)

山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんは、8月30日(世界時)、アンドロメダ座の銀河NGC 214に超新星2006epを発見されました。板垣さんの超新星発見は、今年の7月の超新星2006dyに続いて今年4個目、通算では20個目となります。

アメリカの超新星自動検出サーベイKAIT(Katzman Automatic Imaging Telescope)が8月30.35日に行った観測による超新星の位置は以下のとおりです。母銀河であるNGC 214の中心から西に43秒角、南に11.3秒角にあたります。

  赤経   00時41分24.88秒
  赤緯  +25度29分46.7秒 (2000年分点)
  超新星2006ep周辺の星図

(VSOLJニュース)

(著者:山岡均さん(九大理))

超新星ハンター板垣公一(いたがきこういち)さんが、アンドロメダ座の銀河NGC 214に超新星を発見しました。自身、今年4個目の発見です。7月の超新星2006dyと同様、爆発後それほど経っていないものと考えられます。

今回の超新星を世界最初に発見したのは、リック天文台のカツマン自動撮像望遠鏡(KAIT)のチームで、天体は超新星2006epと命名されています。位置は次のとおりです(略)。母銀河であるNGC 214の中心から西に43秒角、南に11秒角のところにあたります。KAITチームや板垣さんは、8月30-31日には超新星は17.8等ほどの明るさであるが、26日以前には19等程度よりも明るい天体はなかった、と報告しています。爆発から1週間以内の、かなり新鮮な超新星といえるでしょう。

この銀河には、昨年も超新星2005db(IIn型)が出現し、16.2等ほどまで明るくなりました。今回の超新星2006epの、今後の光度追跡やスペクトル観測が望まれます。

(国立天文台アストロ・トピックス)

山形県山形市にお住まいの板垣公一(いたがきこういち)さんは、口径60センチメートルの反射式望遠鏡(f/5.7)にCCDを据え付けて撮影したアンドロメダ座方向の銀河NGC 214の画像の中に17.8等星の超新星を発見しました。この発見は兵庫県の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告され、この超新星は「2006ep」と命名されました。

この超新星は、アメリカの超新星自動検出サーベイKAIT(Katzman Automatic Imaging Telescope)グループのジューベルト(N.Joubert)さん、リー(W.Li)さんたちもほぼ同時に発見しています。

超新星の発見日時は、2006年8月30.35日=8月30日8時24分(世界時)です(位置は略)。

この天体はNGC 214の中心核位置から、西に約43秒角、南に約11.3秒角ほど離れたところにあります。この超新星の発見前後の明るさは、8月21.6日(世界時、以下同様)19等以下(板垣)、8月25.37日 19.2等以下(KAIT)、8月26.64日 19等以下(板垣)、8月30.35日 17.8等(KAIT)、8月30.637日 18.1等(板垣)、8月31.60日 17.8等(板垣)でした。9月2日には外国の天文台で、この星の分光観測が行われ、極大光度付近の明るさにある超新星とわかりました。

板垣さんは今年7月にはうしかい座に(国立天文台 アストロ・トピックス 226)、5月にはペガスス座に(同 212)、4月にはおおぐま座に(同 202)それぞれ超新星を発見しており、今回はそれに続く快挙です。これでご自身の発見数(独立発見を含む)は通算20個となり、日本人アマチュア天文家による超新星発見個数の最多記録をさらに伸ばしました。

超新星2006epの位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ Ver.7」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行なってください。

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