系外惑星関連ニュースが目白押し、冥王星サイズの天体同士の衝突の証拠など

【2005年1月28日 Spitzer Press Release / HubbleSite Newsdesk(1) / (2)

冥王星サイズの天体同士の衝突の証拠

(ベガ周辺で起きたと考えられる冥王星サイズの天体同士の衝突の想像図)

ベガ周辺で起きたと考えられる冥王星サイズの天体同士の衝突の想像図。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/T. Pyle (SSC/Caltech))

NASAのスピッツァー宇宙赤外線望遠鏡の観測で、こと座のベガを取り巻くちりの円盤が推測されていた以上に大きいことがわかった。円盤は、直径2000kmほどの冥王星サイズの天体同士が衝突したことによって形成されたと考えられている。円盤を構成する細かい破片は、まだ未発達の惑星がぶつかりあって粉々になって作られたのだろう。破片同士も衝突してさらに細かくなっていったようだ。ベガの円盤のようすから、惑星系の進化がかなり激しいプロセスを経ることが示されたといえるだろう。


太陽サイズの恒星の周りに、惑星形成の残骸のリング

(太陽サイズの星周辺に捉えられた惑星形成残骸のリング)

太陽サイズの星周辺に捉えられた惑星形成残骸のリング。画像中、白い円と楕円で示されているのは、海王星の軌道サイズ。クリックで拡大(提供:NASA, ESA, C. Beichman(JPL), D. Ardila(JHU) and J. Krist(STScI/JPL))

スピッツァー、ハッブル両宇宙望遠鏡の活躍で、興味深いちりの円盤が複数の太陽サイズの星の周りに存在しているところが捉えられた。ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたのは、5000万歳から2億5000万歳程度の恒星の周りの円盤だ。この程度の年齢であれば、理論上ガス惑星が存在していると考えられている。スピッツァー宇宙赤外線望遠鏡が捉えたのは、40億歳程度の6つの星だ。これらの星の周辺にはガス惑星の存在が知られており、地球のような岩石質の惑星も存在している可能性がある。

太陽サイズの恒星の周りに、このような惑星形成の残骸のリングが捉えられた例はほとんどない。より大質量の恒星の円盤と比べて、ひじょうに細くかすかであるためだ。今回の観測から、ちりの円盤と惑星の直接的な関係が確立されたことになる。


225光年の距離にある褐色矮星の伴星は、木星の5倍の惑星

(褐色矮星とその伴星と思われる惑星の疑似カラー画像)

褐色矮星とその伴星と思われる惑星の疑似カラー画像。中心の白く囲まれている+印が褐色矮星、赤い点が伴星と考えられている惑星。クリックで拡大(提供:NASA, ESA / G. Schneider(University of Arizona))

225光年離れたうみへび座にある褐色矮星が、巨大惑星らしい天体を伴っていると思われる証拠をハッブル宇宙望遠鏡が捉えた。2つの天体の距離は80億キロメートル(太陽から冥王星の距離の1.3倍程度)で、公転周期は2500年と計算された。また、巨大惑星と思われる伴星の質量は木星の5倍程度で、年齢は800万歳ほどと考えられている。