原始惑星系円盤内で、地球型の岩石惑星が形成中

【2004年12月2日 ESO Press Release

ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT干渉計(Very Large Telescope Inrterferometer, VLTI)によって、地球型惑星の形成現場が捉えられた。さらに、恒星を取り巻く円盤内のちりの観測から、太陽系以外の惑星系において地球のような岩石質の惑星はかなりありふれた存在であるらしいことが示された。

観測が行われたのは、近傍にある3つの若い恒星の周りに存在する原始惑星系円盤の内側の領域で、ここに惑星系が形成されつつあるようだ。惑星形成の材料はケイ酸塩の粒子で、温度と密度が上昇するにつれて、互いにくっつきあい大きな粒子へと成長する。このような惑星を成長させる材料があるべき場所にそろっていることから、専門家は、この領域に岩石からなる地球型惑星が形成されることは間違いないだろうと話している。

今回の発見では、VLTIの観測装置MIDIが活躍し、0.02秒角というシャープな画像が実現された。その結果、世界で初めて近傍恒星の円盤の内側領域が詳しく観測され、特に内側のほうがちりが変質しているようすが明らかにされている。もっとも重要な成果の1つとして、原始惑星系円盤には、かなり初期の段階から地球のような岩石惑星を形成するための物質が存在することがわかった。地球のような惑星は、太陽系外の惑星系でも、かなりありふれた存在であるらしいと示されたことになる。