青い小惑星の色は、年齢と共に赤く変化する

【2004年6月3日 University of Hawaii, Press Release

ハワイ大学の研究チームが、小惑星の色が年齢と共に変化することを明らかにした。発表によれば、高齢の小惑星は太陽光線や宇宙線に長年さらされた影響でもとの青い色からより赤い色へと変化しているということだ。これにより、色によって小惑星の年齢判断ができるようになるかもしれない。

(小惑星(243)イダの画像)

小惑星(243)イダ。衛星ダクティルも捉えられている。小惑星の色は、疑似カラー(提供:NASA/JPL)

これまで、小惑星から放出された隕石の青い色と小惑星自身のもつ赤い色が食い違うことが知られていた。この違いについては、すでに30年ほど前に、宇宙環境にさらされることによる小惑星の色の変化だとという考え方が提案されていた。今回同研究チームは、600万歳から30億歳の範囲の小惑星10万個について、スローン・デジタル・スカイ・サーベイによる正確なデータを使用するなどして研究を行なった。その結果、数十億年にわたって小惑星の表面が太陽光や宇宙線にさらされることで色が変化することが示されたのだ。

たとえば、グランド・キャニオンの石というと、雑誌等の写真でおなじみの赤っぽい色を想像するだろう。そこへ青っぽい色をした石をグランド・キャニオンのものとして手渡され、「もともとは青っぽい色をしていたが、長年の気象による影響で赤く変化したのだ」と説明を受ければ納得することができるはずだ。小惑星についても、同じような説明があてはまるということだ。

研究チームによれば、より年老いた小惑星ほど、より赤みを帯びていると考えられ、今回得られた研究結果が示す値と一致するはずだという。また、もっとも若いとされる小惑星の色データを分析することで、近い将来、表面の色による小惑星の年齢判断が可能になるとも語っている。しかし、小惑星には2つのタイプがあることがわかっているため、現在もう一方の種類の小惑星についての研究も進められている。

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