ガスでできた「三日月(NGC6888)」の画像が公開された

【2003年4月25日 National Optical Astronomy Observatory

はくちょう座にある、三日月状の散光星雲NGC6888の写真が公開された。

(NGC6888の写真)

(提供:T. A. Rector (NRAO), NOAO, AURA, NSF

この星雲はどのようにして形成されたのだろうか?もっとも有力な説によれば、NGC6888は25万年前から作られ始めたということだ。星雲の中心に見えている大質量の明るい星はウォルフ・ライエ星というタイプの星で、強い恒星風によって星の外層部分のガスをゆっくりと吹き出していると考えられている。恒星風と以前に放出されていたガスとが衝突し、何重にも重なる複雑なシェル(球殻)状の構造を作り上げ、それが光り輝いて見えているのが今の姿だということである。なお、中心星WR136は、数百万年以内には超新星爆発を起こすだろうと考えられている。

なお、このNGC6888は、アマチュアの望遠鏡でもよく写り「三日月星雲(Crescent Nebula)」の名で親しまれている。星ナビギャラリーにも掲載されることがあるので、その造形の天文学的意味を考えながら撮影したり、掲載写真を見るのも興味深いだろう。

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