ハッブルが撮影した、生まれたての小さな銀河

【2002年12月20日 HubbleSite - News Center

NASAのハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された、生まれて間もない「遅咲きの」銀河の写真が公開された。この銀河は小さくて歪んだ形をしており、まだ発展途上にあるようだ。

(POX186の写真)

青色矮小銀河POX186(提供:NASA and Michael Corbin (CSC / STScI))

POX186というこの銀河は、およそ6,800万光年離れたおとめ座の方向にある。発見されたのは約20年前だが、小さすぎるために地上の望遠鏡による観測では詳しいことはほとんどわかっていなかった。ハッブルを使った観測で、この銀河の大きさはわずか900光年ほどしかなく、星の数も1000万個しかないことが明らかになった。

もっとも大きな成果は、ガスや恒星が集まった塊が衝突してこの銀河が形成され始めたのは今から1000万年以内のことであり、宇宙の歴史から考えるとごく最近に起こった現象であることがわかった点だ。形成がごく最近起こった原因については、この領域には物質がほとんどないために、ガスや恒星の塊が重力で引き合って衝突するまでに長い時間かかったためではないかと考えられている。研究者たちは、さらに同じ種類の銀河を観測してその形成過程を詳しく研究したいと述べている。

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