夕方の低空に現われた宇都宮彗星

【2002年5月1日 アストロアーツ】

今年3月19日に熊本県の宇都宮章吾氏によって発見された宇都宮彗星(C/2002 F1)が夕方の低空に現れた。

宇都宮彗星

宇都宮彗星(C/2002 F1)。2002年4月28日 19時26分(JST)埼玉県上尾市にて撮影。機材:口径18cm反射+CCD。クリックで拡大(提供:アストロアーツ 門田健一)

22日に近日点を通過した彗星は5月1日ごろがもっとも見やすいが、日没60分後の高度は、10度弱で条件はよくない。光度は、じょじょに暗くなるが、5月中旬まで6等級で見られるだろう。透明度が高い日に、西の空が開けた場所で探してみよう。宵の明星・金星の近くを移動しているので、彗星を見つける目印になる。5月4日の夕方には、水星に約0.5度まで接近する(夕空での見え方を示した図はこちら)。

写真は4月28日に撮影されたもの。CCD全光度は4.3等で、極めて強く集光した頭部と、北東方向に太い尾、北の方向に広がった尾が見られる。眼視では、同日に5等前後の明るさで観測されている。

なお、ステラナビゲータなどで利用可能な軌道要素がアストロアーツのダウンロードサービスのページからダウンロード可能なので、ぜひ利用していただきたい。また、星ナビ2002年6月号では発見者の宇都宮氏へのインタビュー記事を掲載しているので、こちらもご覧いただきたい。