4月2日に起こる小惑星Shaposhnikovによる恒星食の改良予報

【2002年3月27日 せんだい宇宙館

小惑星による恒星食の予報をお届け申し上げます。
4月2日の小惑星(1902)Shaposhnikov による TYC1978-02056-1(mag 10.8)の掩蔽のIOTA による改良予報が発表されました。観測の可能な方は是非ご協力頂きたくお願い申し上げます。また、近隣の方々にも呼びかけをお願い申し上げます。

この予報は、ファインダーチャートとともに、以下のページにおきました。http://www2.synapse.ne.jp/uchukan/

■ 2002.04.02 23h57m JST
恒星  :TYC 1978-02056-1
        赤経 10h 55m 54.093s,赤緯 +22° 44' 14.69"(J2000) 10.8等
        しし座 と こじし座の境界付近
        しし座54番星の南 約2° 01'
小惑星:(1902)Shaposhnikov  16.4等
減光  :約 5.6等  継続時間は最長 7.2秒
掩蔽帯:東北地方北部,北海道南部
ランク:44ポイント
(ランク=減光の観測される可能性を示す指標。高ポイントほど確率が高い。)

小惑星の軌道が良くないため誤差が大きい。掩蔽帯の幅は 104km。掩蔽帯の誤差(1σ)は、掩蔽帯の幅の +/-149% と発表。

改良予報の在所: http://www.oz.net/~stevepr/Asteroids/asteroid.htm

観測に成功されましたら、是非、国立天文台相馬充氏 または、せんだい宇宙館早水勉までご報告をお願いいたします。観測されましたデータは、IOTA,国立天文台,海上保安庁水路部,東亜天文学会 他、広く公開され星食の研究に役立てられます。

必要なデータは、

  1. 観測者氏名
  2. 観測地および観測地の経緯度と標高,測地系
  3. 観測開始と観測終了の時刻
  4. 減光が観測されたか? 減光が観測されなくとも重要なデータです
  5. 減光がおきた場合の時刻:減光開始の時刻および減光終了の時刻
  6. 観測機材
  7. 時刻保持の方法

です。観測は眼視によるものでも重要なデータとなりますが、可能な方は、是非ビデオによる観測をお願いいたします。時刻保持のためには、極力、GPS時計、短波時報(外国)などの正確な時報を用いてください。固定電話による117時報も0.03秒程度の信頼性があります。携帯電話の時報、電波時計、は遅れが大きいので避けてください。

星食観測は多くの観測者により成立するものですので、この種の現象を通じて、天文仲間のフレンドシップの広がることを期待しております。

補足

改正された測量法が、この4月より施行されます。この改正により、経緯度の測定は、これまでの日本測地系に代えて世界測地系に従って行われることとなります。しかしながら、しばらくの期間は両方の測地系が混在して使用されるでしょうから、混乱を避けるため、経緯度の報告の際には基準の測地系も併記いただきますようお願い申し上げます。
参照:国土地理院 http://www.gsi.go.jp/LAW/kaiseijoho.html

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