天王星の衛星 1 個が「認定取り消し」に

【2002 年 1 月 7 日 THE PLANETARY SOCIETY

天王星の衛星の数は土星(30 個)、木星(28 個)に次いで 3 番目に多いが、この衛星のうちの一つが衛星として正式に認められなくなった。この IAU(国際天文連合)の決定により、天王星の衛星数は 20 個となる。

この天体は S/1986 U 10 という符号が付けられている。1986 年にボイジャー 2 号が天王星に接近した際に撮影した 300 枚あまりの写真のうちの 7 枚から Erich Karkoschka 博士が発見したのだが、この発見はボイジャーの撮影から 13 年も経過した 1999 年 5 月のことであった。そしてボイジャーの撮影以降は行方不明になっているのだ。写っていた明るさから、大きさは直径 40km ほどであると推定されている。

衛星と判断する基準は IAU によって決定されるが、この基準は時々変更される。1986 年の撮影の際に見つかっていれば間違いなく衛星だと認定されたはずだが、現在の基準は当時のものより厳しくなっているので衛星と確定できなくなってしまったのだ。IAU は、数年以内に予定されているハッブル望遠鏡を使った天王星の観測によって、S/1986 U 10 が確認されれば、再び衛星として認定される可能性もあるとしている。

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