11天文単位の距離で発見された彗星

【2001年9月6日 国立天文台天文ニュース (473)

地球から11天文単位もの遠い距離で、新彗星が発見されました。

ジェット推進研究所NEAT(Near-Earth Asteroids Tracking programme)チームは、地球接近小惑星を捜索する観測中、8月24日に、パロマー山の口径1.2メートル、シュミット望遠鏡によって、「くじら座」と「ろ座」の境界付近に、直径約8秒の球状に見える17.3等の彗星像を発見しました。この彗星にはC/2001 Q4の認識符号が与えられ、通称はニート(NEAT)彗星になりました。その後の観測を加えて暫定軌道を求めたところ、その位置は、地球からも太陽からも、11天文単位も離れたところであることがわかりました。これは土星軌道よりもかなり外側です。軌道のわかっている彗星をかなり遠距離で検出したことはありますが、これほど遠くで新彗星が発見されたことは過去にはありません。

求められた軌道はまだ不確かですが、それによりますと、C/2001 Q4はこれから4年かけて太陽に近付き、2005年8月に、太陽から4.094天文単位の距離で近日点を通過します。

遠くで発見された彗星としては、1995年に発見された有名なヘール・ボップ彗星があります。これは木星より遠い6.7天文単位の距離で11等の明るさで発見され、巨大彗星といわれました。この彗星は1997年3月にもっとも地球に接近し、肉眼でも夜空に容易に見える明るさになって、人々を喜ばせたのです。

このC/2001 Q4も、ヘール・ボップ彗星のように明るくなると期待される方があるかもしれません。軌道を初めとして不確定の要素が多いので、いまのところはっきりしたことは何もいえません。ただ、暫定軌道要素を信じれば、近日点距離が4天文単位以上もあるので、地球にも太陽にも大きく接近することはなく、それほど明るくなることはなさそうです。2005年の中頃にもっとも明るくなりますが、明るさはせいぜい12等か13等止まりでしょう。そのころの位置はかなり南に寄ったところになりますから、日本から見るのは難しいと思われます。

国際天文学連合回報によるC/2001 Q4(NEAT)の暫定軌道要素は以下のとおりです。

近日点通過時刻 = 2005 Aug.25.340 TT
近日点引数 = 325゜.884
昇交点黄経 = 218゜.402 (2000.0)
近日点距離 = 4.09424 AU
軌道傾斜角 = 108゜.688

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