わし座に新星らしき天体

【2001年5月18日 VSOLJニュース (057) 2001.05.18】

イギリスの Guy Hurst からの連絡によれば、Collins がパトロール写真から新変光星を発見し、TAV J1907+117 の名称で 5月17日に公表されました。発見は国際変光星ネットワーク(VSNET)を通じて広く世界に通報されました。天体は 5月11.988日(世界時)に10.9等と記録され、4月25.1日には12.1等程度で写っているように見えるとのことでしたが、星の多い領域でやや不確かなそうです。この情報をもとにVSNETチームはカタログや過去画像の検索を行い、同天体が赤色変光星ではなさそうなことなどを示し、天体が新星型の爆発変光星である可能性が指摘され、広く観測が呼び掛けられました。Guy Hurst および発見者は過去のパトロール写真を調査して、天体が写っていないことから、新星の可能性が大きいと判断し、IAUC 7627 にて「新星らしき天体」として公表しました。天体の位置は以下の通りです。

 19h 07m 28s.41 (J2000.0)
+11゚ 44' 45".8

5月16.966日には、12.6等との報告があり、比較的速く減光している可能性があります。もし新星と確定されれば、「わし座新星2001」の名称で呼ばれるようになるでしょう。この天体については昨晩から各地で観測が進められており、現在情報の解析が行われています。VSNETでもメーリングリストやホームページで新規情報を逐次お伝えしていく予定です。

※ 以下のページに京都大学で撮影された画像と星図が掲載されています。

http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/Novae/naql01.html

著者 :加藤太一(京大理)
連絡先:tkato@kusastro.kyoto-u.ac.jp

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