[すばる望遠鏡] すばるが見つめる星のゆりかご

【2001年2月16日 国立天文台ハワイ観測所プレスリリース (2001.02.13)

日本が誇る8.2メートル望遠鏡 (ハワイ・マウナケア山頂; 国立天文台ハワイ観測所) が撮影した星生成領域「S106」(はくちょう座の方向約2000光年) の画像が公開された。近赤外線カメラCISCOにより撮影された、近赤外線の3つの波長域の画像から3色合成したものだ。

すばる望遠鏡が撮影した星生成領域「S106」

この画像から、太陽質量の0.08倍程度の軽い天体が数百個ほど発見された。これらの天体は、生まれたばかりの褐色矮星であると考えられる。褐色矮星とは、充分に成長できなかったために恒星として輝くに至らなかった低質量の天体のことだ。さらに、木星の数倍程度の重さと考えられる軽い天体も100個ほど発見された。これらの軽い天体は、質量としては惑星に相当するものだが、主星を持たないことから「浮遊微小天体」と呼べるかもしれない。

今回の観測結果から、宇宙には質量の軽い天体が普通の恒星と同様に多数生まれていること、さらにその天体の数は領域により違いがあることが明らかになった。しかし、このような天体の誕生のしかたは、依然として謎のままである。

さらなる詳細については、国立天文台ハワイ観測所のプレスリリース全文を参照してほしい。