ディスカバリー号、エドワーズ空軍基地に帰還

【2000年10月25日】

<リソース> ※日付は日本時間

アメリカ時間11日夜(日本時間12日朝)に打ち上げられたスペースシャトル「ディスカバリー号」(STS-92/3A)は、国際宇宙ステーション(ISS)への「Z1トラス」「PMA-3」取り付け、補給物資搬入などの任務を終え、無事にアメリカ・カリフォルニア州エドワーズ空軍基地に帰還した。エドワーズ空軍基地の天候は快晴、南西の風秒速約3.6〜6.2メートル、乱気流なしという絶好の条件だった。着陸時刻はアメリカ中部夏時間10月24日午後3時59分 (日本時間10月25日午前5時59分) 、飛行距離は9,815,600キロメートル、地球周回数は202周回、飛行期間は12日と21時間43分だった。今回のミッションは、20世紀最後のスペースシャトルのフライトであり、シャトル史上100回目の打ち上げ、99回目の飛行だった。

着陸直後、クルー全員による短い記者会見が開かれ、そのなかで若田宇宙飛行士は「ただいま地球に帰って参りました。本当にすばらしいフライトでした。」と笑顔で話した。

ディスカバリー号は当初はアメリカ時間10月22日にフロリダ州ケネディー宇宙センターに帰還する予定だったが、アメリカ時間22日はケネディー宇宙センターに安全基準を上回る横風が吹いていたために帰還は中止となった。アメリカ時間23日は、ケネディー宇宙センターの気象条件が改善する見込みがなかったことから、代替基地であるカリフォルニア州エドワーズ空軍基地への着陸も検討されたが、この日エドワーズ空軍基地には低く雲が垂れ込め、雨も降っていたことから、またもディスカバリー号は着陸を阻まれた。そして今回ようやくの帰還となった。

エドワーズ空軍基地に着陸したシャトルを打ち上げ地点であるケネディー宇宙センターへ輸送するためには100万ドル以上の資金と約1週間の期間が必要となってしまうため、NASAはできるかぎりケネディー宇宙センターに着陸させたがっていたが、ケネディー宇宙センターはアメリカ時間24日も回復しなかった。

エドワーズ空軍基地にスペースシャトルが着陸したのは、1996年3月31日のアトランティス号 (STS-76:シャトル-ミールミッション) 以来4年ぶりだった。エドワーズ空軍基地からケネディー宇宙センターへのシャトルの輸送は、特別仕様のボーイング747型航空機の背にシャトルを載せて空輸することになる。

今回の任務完了により、いよいよISSへの恒久滞在開始の準備が整ったことになる。

そして第一次滞在クルーのビル・シェパード(指揮官)、ユーリ・ギドゼンコ(ソユーズ船長)、セルゲイ・クリカレフ(フライトエンジニア)らは、モスクワ時間10月31日午前10時53分(日本時間10月31日午後3時53分)、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からソユーズ・ロケットによりISSに向け出発する。ISSへのドッキングは日本時間11月2日午後5時20分を予定。

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