シャトルがドッキング中の国際宇宙ステーションを見よう

【2000年9月11日 アストロアーツ】

現在、国際宇宙ステーション(ISS)にはスペースシャトル・アトランティス号(STS-106/2A.2b ISS補給・艤装フライト)がドッキング中。ISSはシャトルがドッキングしていなくても2等級〜0等級と明るく、光害の多い都会でも容易に観測できる人工天体だが、シャトルがドッキング中の今は普段よりさらに明るく見えるようになっている。シャトルがドッキング中にISSを観測できるチャンスは少ないので、ぜひ観測に挑戦してみて欲しい。

まずは、ISSの見え方の予報を調べる。日本時間11日夜には見るチャンスは無いようだが、日本時間9月11日午後9時11分ごろにシャトルのエンジンによるISSの軌道変更が予定されている。したがって、それ以後については、軌道変更後のデータを用いた予報でなければ役に立たない。最新データによる予報を提供してくれているHeavens-Aboveで日本時間11日深夜以降に各自チェックすると良いだろう。今回のフライトでは、軌道変更はその1回だけの予定。

シャトル/ISSの分離は、日本時間17日午前0時45分の予定だが、変更の可能性もあり得る。シャトルは分離からおよそ2時間ISSの近くにとどまり、ISSの周りを周回してISSの写真を撮影したりした後、ISSから離れてゆく。この期間に観測チャンスがあれば、ISSとシャトルが接近した珍しいようすが見られる。ぜひ観測したいところだ。

そしてアトランティス号の着陸は、19日午後5時46分の予定。

Heavens-Aboveは英文のサイトだが、さほど英語力は必要無いので、英文だからと敬遠せずに利用してみて欲しい。方法だが、まず、[Selecting from our huge database]をクリックし、[Japan]をクリック、そして"Search String"に観測地の都市名を入力して[Submit]をクリック、続いて表示された候補都市一覧から目的の観測地をクリックすればメインページにたどり着く。あとは、"10 day predictions for special interest satellites"から[ISS]または[STS-106]をクリックすれば、観測可能な日時と高度(Alt.)・方位(Az.)が一覧で表示され、さらにそれぞれの[日付]をクリックすれば星図と通過コースを見ることが出来る。

観測には、前後10分程度余裕を見てのぞむ。観測に向かう前に、あらためて最新予報を調べておくとなお良い。見え方は、音も無く静かに弧を描いて動いてゆく光点のように見え、飛行機のように点滅したり音がしたりはしない。ときどき、数秒間だけ特に明るく輝くことがある。これは、ISSの太陽電池パネルが反射した太陽光の輝きで、フレアと呼ばれる現象だ。

この機会に、撮影にも挑戦してみてはいかがだろうか。ビデオカメラの場合、カメラをしっかりと三脚に取り付け、夜景モードで撮影すればOK。望遠でとらえた方がはっきり写し撮れるが、追尾は難しいし、移動のようすはわかりづらくなる。広角で固定撮影するのも面白い。

銀塩一眼レフカメラの場合、フィルムは、ISO400〜800の高感度ネガフィルムを用いる。カメラを三脚に固定し、ピントを無限遠に合わせ、絞りは開放。あとは、バルブ露光モードで数秒〜3分間程度露光すればOKだ。なお、薄明中や明るい都会での撮影の場合、露光オーバーに注意してほしい。この場合、カメラの自動露光モードに任せてしまうのが無難だろう。

また、コンパクトカメラやデジカメでもなんとか写ると思われるので、ぜひ試してみて欲しい。撮影条件は、上記の一眼レフカメラの場合のものにできるだけ近づけるようにする。

<関連リンク>

<関連ニュース>