丘に覆われた太陽

【2000年6月15日 Spaceflight Now (2000/6/13)

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)とアメリカ航空宇宙局(NASA)の共同による太陽観測探査機SOHOに搭載された、マイケルソン・ドップラー撮像器(MDI)の観測データから、太陽表面は90,000km間隔の高さ100mの丘で覆われていることがわかった。これは、太陽を地球の大きさに縮小した場合、高さ数センチ程度に相当する。

この丘は、ロスビー波(Rossby waves)と呼ばれる現象によって生じていると考えられる。ロスビー波は、継続的な弱い低気圧をマス目状に発生させ、この低気圧が太陽表面に丘や谷を生じさせる。この丘を検出するため、ほとんど3年に近い期間のMDIの観測データから太陽の縁の形状変化が分析された。

研究を行なったのはハワイ大学天文学研究所のJeffrey Kuhn氏などで、研究成果は科学誌『Nature』で報告された。