XMMニュートン、「ロックマンの穴」を観測中

【2000年5月22日 ESA Science News (2000/5/17)

XMMニュートンのEPIC-PNカメラが撮像した「ロックマンの穴」

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のX線宇宙望遠鏡XMMニュートンが「ロックマンの穴(Lockman Hole)」と呼ばれる領域の長時間観測にのぞんでいる。「おおくま座(北斗七星)」の一角にあるこの領域は銀河間のダストや水素ガスなどの吸収物質が少ない領域として知られ、X線天文学において最もよく研究されてきた領域だ。この領域に関するこれまでの研究は、X線背景放射を理解する上での大きな貢献をはたしてきた。

今回のXMMニュートンによる観測では、総計2日間近くに相当する露出が予定されているが、その最初の数時間の観測による画像が公開された。

右はXMMニュートンのEPIC-PNカメラによる硬X線(高エネルギーX線)画像。露出時間は20,000秒(5.5時間)。この画像は、イタリア・ドイツ共同によるX線天文衛星がBeppoSAXが112,000秒(31時間)露出で撮像した画像よりはるかに多くのX線源をとらえている。

(画像提供=ESA)