太陽は層によって自転速度が異なることがわかった

【2000年4月3日 CNN.com (2000/3/31)

スタンフォード大学の研究チームが、1つの太陽観測衛星と6つの地上の太陽観測天文台のデータから、太陽の深層の2つのガス層が、それぞれ逆の向きに速度を上げたり下げたりしながらも、同期したパターンを形作っているということを発見した。

「この結果は我々の予想とは異なる。」スタンフォード大学の物理学者、Jesper Schou氏はこう述べている。「まったく意外だ。」

研究チームによると、この自転速度の違いは、太陽表面に近い「対流層」と、核を含む「輻射層」との境界面(="tachocline")の上下で起きているという。

4年間の観測データを調べた結果、対流層では1996年7月から1997年2月にかけて約18m毎秒の自転速度の増加が見られた。そしてその後8ヶ月は減速を続け、元の自転速度に戻った。

この間輻射層では、自転速度が減速してから加速して元に戻るという、対流層とは逆の現象が見られた。

この現象は太陽の赤道においては16ヶ月周期で繰り返されていたが、中緯度地域においてはわずか12ヶ月周期であった。

地球とは異なり、太陽はガス天体である。したがって、場所によって自転速度が異なるということがあり得る。

今回発見された自転速度の変化の周期の謎は、太陽における強力な磁気圏の形成や、11年周期の黒点活動に関係しているかもしれないが、詳しいことはまだわかっていない。

太陽黒点は電離粒子の突風を吹き出すが、これが地球を直撃した場合、通信や電力供給システムに障害をもたらす場合もある。