フラーレン分子が地球外起源のガスを運ぶ

【2000年3月21日 SpaceDaily (2000/3/20)

ハワイ地球物理学および惑星学会のメンバーでハワイ大学に勤めるLuann Becker氏らのチームが、隕石に含まれるフラーレン分子の中に地球外起源のガスが閉じ込められていることを発見した。

フラーレン分子は炭素原子がサッカーボール状に60個つながった分子だが、より多くの炭素原子から成るものもあり、30年前にメキシコに落下した46億年前に起源を持つ隕石であるAllende隕石の例では400個もの炭素原子から成る超大型フラーレン分子が多く含まれた。これらのフラーレン分子の中には地球外起源のガスが閉じ込められていた。

その後世界中の数ヶ所の白亜紀/第三紀境界の堆積物(つまり6500万年前、恐竜を絶滅させた大衝突による堆積物)の調査が行われたが、いずれのケースにおいても、フラーレン分子が、明らかに地球外起源でさらには太陽系外起源の可能性もあるガスを含んでいるのが発見された。

この発見により、地球の地質学・生物学史における地球外起源事象を探る新たな手段が得られたことになる。

ただし、フラーレン分子が自然界においてどのように形成されるのかは、今のところ謎。これに関しては、今後の研究が望まれる。