ロボットによる隕石の発見

【2000年1月28日 Discovery Online, 2000/1/26

21日金曜、ノーマッド(Nomad)と呼ばれる4輪ロボットが南極地方で隕石を発見した。ロボットが人間の助けを一切借りずに全自動で隕石を発見した例はこれがはじめてという。

ノーマッドはカーネギー・メロン大学のロボット工学研究所により製作された小型車ぐらいの大きさのロボットで、4輪スパイクタイヤにより毎秒0.5m程度の速度で走行し、氷の大地を探索する。車体を伸ばすことができ、40インチの高さの障害物を乗り越えることができる。また、レーザー測距器により、障害物を回避しつつ走行することも可能だ。そしてその間、搭載された高解像度デジタルカメラにより何千もの岩をスキャンし、形や色、大きさ、焦げた痕跡などを調べ、隕石の特徴を持った岩を探す。

有力な候補が見つかると小型カメラにより接近像を取得、反射型スペクトル分析器によりどんな物質が含まれているかを分析する。隕石であると判断した場合には、GPSにより得た正確な位置を研究者に連絡する。その後、人間がその岩を掘り出す、というわけである。

今回の発見はノーマッドの実地運用テスト開始から3日目に、マクムルド駐在地にあるアメリカのメインベースから180マイルほど離れた地点、エレファント・モーレンの付近で成された。

ノーマッドの実地運用テストはもう1週間程度続けられるという。なお、ノーマッドとは遊牧民という意味。