尾が見え始めたリニア彗星(C/1999 S4)

【2000年1月26日】

1999年9月27日、リンカーン研究所チームにより発見されたリニア彗星(C/1999 S4)は2000年1月現在、「さんかく座」と「うお座」の境界付近にあり、夕方の空で見られる。
発見直後は、1か月間で16.5等から15等へと、着実に明るくなっていた。1999年11月以降は、明るさの変化は小さく、14〜15等を維持している。太陽には少しずつ近づいており、1999年12月から、東側に尾が見られるようになった。
彗星は今後、見かけ上で太陽に接近して、いったん見ることができなくなる。5月下旬には明け方の空で次第に見やすくなり、7月には3等級の肉眼彗星になると予想されている。

C/1999 S4

順調に増光すれば、2月末には13等級まで明るくなるだろう。しかし、国際天文学連合回報(IAUC 7342)は、彗星の成分であるダスト(ちり)の生成が、減少していることを報じている。ダストの減少により、彗星の頭部や尾が小さくなり、予想より暗くなることもある。今後の明るさを予測する上でも、しばらくは明るさの変化に注目したい。

LINEAR彗星のうごき

2月末までは高度が高いので、しばらくは追跡できる。3月下旬には、彗星は見かけ上で太陽に接近するため、観測できなくなる。その後、5月下旬には、再び明け方の空にその姿を現わす。その頃の明るさは、10等前後になると予想されている。

LINEAR彗星のうごき

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