他の恒星系の惑星を発見?!

【1999年1月8日 NASA

アリゾナ大学などの天文学者が恒星をとりまくダストのリングを鮮明に写し出すことに成功した。これはハッブル宇宙望遠鏡を用い、中心の恒星の光が望遠鏡に入らないようにして、星を取り巻くガスの様子を撮影したもの。恒星を取り巻くガスは惑星を形成している最中と考えられ、太陽系の歴史や惑星が存在する確率などを解明する際に大きな手がかりになる。


HD141569

左はてんびん座にある HD141569 と呼ばれる恒星で、太陽の3倍ほどの大きさを持つ恒星で、IRAS(赤外天文観測衛星)により周囲にダストが存在するのではないかとされていた。今回の観測で、土星の輪のように内側の明るいリングと外側の比較的暗いリングの間に空隙が存在する様子がはっきりと写し出されている。このダストの円盤は差し渡し120億キロメートル、海王星の軌道の13倍の大きさだ。このリングの空隙こそが惑星の存在を示しているのではないかと天文学者らは考えている。
また、誕生間も無い恒星を取り巻くリングは多数観測されているが、 HD141569 のように十分成長した恒星でリングが発見されるのは珍しく、岩石やその破片がリングを構成しているのではないかと考えられている。

右は HR4796A と呼ばれるケンタルウス座にある、太陽より7割ほど大きい恒星だ。こちらは、細いリングが恒星を取り巻いている。細いリングが形成されるには付近に存在する惑星または小惑星のような天体の重力の影響ではないかと天文学者らは考えている。リングの直径は約200億キロ、リングの幅は約17天文単位と見積もられている。

□ニュース・リリース(英文)
http://oposite.stsci.edu/pubinfo/pr/1999/03/index.html

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