編集後記


本誌各号の編集後記を掲載。

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■2004年2月

 以前にもこの欄で書いたことですけれども、自分の星見スタイルは、最寄りの駅から自宅までの道すがら星空を見上げる「終電星見」と、ベランダで煙草を吸いながら南空をながめている気楽な「ホタル族星見」が中心になっています。

 ふだん星ナビのほかに小中学生から初心者向きのかんたんな星見案内を担当していて、その中で「今月は○○○流星群に注目してみましょう」と書いている手前、その当日は本当に流星が現われるかどうか、きちんと夜空を見上げているわけですが、そのときもたいてい「ホタル族」スタイルで見ていることになります。すると、観察時間の単位を、煙草の本数で区切って表現することができます。

 先日の「ふたご群」のときは、月も明るい深夜2時になってからベランダに出て、まず「1ホタル」目は空振り。「2ホタル」目には南西のオリオン座あたりをながめていて、リゲルの下に短い流星を1つ。「3ホタル」目は、向きを変えて東の木星中心にながめていたら、しし座からおとめ座にかけて伸びる長い流星を1つ。「4ホタル」目はまた空振り。

 視界の限られたベランダで、また街の灯りと月明かりがある中にしてはよく見えた方だと思いますが、気になるのは、煙草に火をつけるたびに夜空から目を離し、しかもライターの炎の残像が目に焼き付いてしまい、もしかしたらいくつか流星を見のがしてはいまいか、と不安になります。

 ちなみに11月の「しし群」のときは、「1ホタル」のあと早々とあきらめ、双眼鏡を取り出してかに座のM44やM45すばるなどを次々とながめていたら、オリオン座の小三ツ星でM42を見つめている最中に、いきなり視野の下半分に流星が2つ現われました。あわてて双眼鏡から眼を離して見なおしてしまいましたが、もちろんもう流星は見えませんでした。方向から考えるとたぶん「おうし群」のものだったようです。

 あの2001年の「しし群大出現」の際に、試しに双眼鏡でながめてみたことはありましたが、雨あられと流星が降る中でも視野に飛び込んでくるものはありませんでした。それを考えると、先日の2個はかなりの幸運だったのかもしれません。

 最近、コンパクトデジカメを使ったベランダからの「お手軽星景写真」に凝っています。最長でも8秒間しか長時間撮影ができませんが、1月4日の「しぶんぎ座流星群」で、流星が写らないかどうか、さらなる幸運をあてにして、チャレンジしてみようと考えている今日この頃です。

(寺)


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