編集後記


本誌各号の編集後記を掲載。

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■2002年2月

読者の皆さんからお送りいただいたたくさんの写真を前にすると、今さらながらに今年のしし座流星群の凄さが思い出される。編集部に寄せられた写真の数は、いつもの月の数倍にもなった。その1枚1枚に見事な流星の姿が写し出されている。大火球をとらえたもの、永続痕をとらえたもの、雨のように降るたくさんの流星をとらえたもの、固定撮影で星景写真としてとらえたもの、銀塩はもとより冷却CCDカメラやデジタルカメラでとらえたものなど、流星写真のありとあらゆるパターンがそこにある。どの写真からも、撮影者のその場の興奮が伝わってくるようだ。

 そうした写真作品にまじって、ビデオでとらえた作品も届いている。こちらも高感度CCDカメラやイメージインテンシファイヤーを使ったものなど機材はさまざまだが、そのどれもが1999年にNHK・NASAが地中海上空でとらえたものを超えるような素晴らしい流星雨の姿を記録している。ビデオの楽しさはリアルに流れる流星の姿だけでなく、その場の臨場感が伝わってくる点にある。大火球の出現に驚く幼い声(お子さん同伴ですね)、流星の多さに絶叫する声(4〜5人のグループですね)、長年の夢だった光景を目の当たりにして感動する声(年輩の方がいらっしゃいますね)などにまじって、シャッター音や、車のライトを注意する声、クラクションの音など、さまざまな音が収録されていて実に楽しい。撮影した場所がどんな場所で、どんな人が集まっているのかが手にとるようにわかり、とてもリアルに感じられるのだ。

 さて、今回のしし座流星群を体験した人の中には、しばらくは通常の流星群を見てもつまらないのでは? という感想を持つ人も多かったようだが…。

 12月14日ふたご座流星群極大の日、編集部にたくさんの問い合わせがあった。近所の方にも聞かれた。そしてその夜、東京で1時間に20個ほどの流星を見た。しし群のような派手さはなかったが、流星を見る楽しさは少しも変わらなかった。心配は…杞憂だった。

編集長 大熊正美

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