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木星とガリレオ衛星(2017年)

2017年の木星は4月〜7月ごろに観察シーズンを迎えます。マイナス2等級と明るいので町中でも簡単に見つけられ、おとめ座のスピカと並ぶ様子がよく目立ちます。時おり月も接近し、3天体の共演も楽しめます。

木星を双眼鏡で観察すると、木星の周りを巡る4つのガリレオ衛星が見えます。日々並び方が変化する様子は見ものです。天体望遠鏡を使うと木星表面の縞模様や大赤斑も観察でき、さらに面白くなります。

木星を見つけよう

夜半の明星

「夜半の明星」とも呼ばれる木星は、月を別とすれば夜空で一番目立って明るく見える天体です。建物などに遮られなければ、町明かりがあるようなところでも簡単に見つかります。

2017年の木星は「おとめ座」にあり、1等星スピカと並んでいます。スピカの青白い色と木星の黄色っぽい色の美しい対比が見ものです。7月は宵に南西の空に見えます。そろそろ観察シーズン終盤で23時ごろには沈むので、空が暗くなったら早めに見ておきましょう。

2017年7月15日 20時の星図

2017年7月中旬 20時の空(東京)。月の表示は消してある。クリックで星図拡大(ステラナビゲータで星図作成、以下同)。
3月0時4月23時5月21時6月21時

木星に関する諸現象

2017年8月ごろまでに起こる、木星と月との接近などは、以下のとおりです。このうち月との接近は、やや間隔は大きくなりますが前後の日にも見ることができます。

日付 現象備考
〜4月上旬 スピカと並ぶ最接近2月2日ごろ
3月14日 月(月齢16)と接近宵から翌日明け方
4月 8日
(しょう)
太陽の正反対に来る
(深夜に南に見える)
4月10日 月(月齢14)と接近夕方から翌日明け方
5月 7日 月(月齢11)と接近夕方から翌日未明
6月 4日 月(月齢10)と並ぶ夕方から翌日未明
6月10日
(りゅう)
この日を境に、天球上を西→東に動くようになる
7月 1日 月(月齢7、上弦)と接近夕方から深夜
7月 4日 東矩
(とうく)
太陽から90度東に離れる
(日没のころ南に見える)
黄道座標系では6日
7月29日 月(月齢6)と並ぶ夕方から宵
8月下旬〜 スピカと並ぶ最接近9月12日ごろ
8月25日 細い月(月齢4)と接近夕方〜宵

星図(7月29日 月と木星が並ぶ)

7月29日の夕方から宵、月と木星が並ぶ。

木星は、9月上旬以降は太陽に近づいて見えにくくなり、10月下旬に合(太陽と同じ方向になること)を迎えて見えなくなります。その後は12月上旬ごろから、明け方の東天に見えるようになります。

モバイルツールでシミュレーション

iOS用の「iステラ」「iステラHD」やアンドロイド用「スマートステラ」などのモバイルアプリを使うと、木星のある方向や周りの星、星座の名前が簡単にわかります。日時を変化させて月との接近をシミュレーションすることもできます。

他の製品は ›› モバイル製品情報

スマートステラでのシミュレーション

4月10日に月と木星、スピカが接近する様子をスマートステラで表示。コンパス連動時には実際の空で見える方向までナビゲーションしてくれる。クリックで拡大。

ガリレオ衛星や縞模様を観察しよう

ガリレオ衛星

木星には60個以上の衛星が見つかっています。そのうちイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストは大型の衛星で、双眼鏡や小型望遠鏡でも存在がわかります。1610年にガリレオが発見したことから、この4つはとくにガリレオ衛星とも呼ばれています。

ガリレオ衛星のうち、一番木星に近いイオはわずか2日弱で木星の周りを一回りします。一番外側のカリストも一回りするには約17日ほどしかかかりません。このため、ガリレオ衛星の位置は目まぐるしく変化します。木星の裏に回ったり木星の影に入ったりして、見えなくなっていることもあります。

衛星の動きをシミュレーション動画にしたので、観察の際の参考にしてください(I:イオ/II:エウロパ/III:ガニメデ/IV:カリスト)。図は上が北になっています。天体望遠鏡では像が回転していることが多いので見比べるときには注意しましょう。

2017年3月から9月のガリレオ衛星の動き(ステラナビゲータでシミュレーション)。上が北。衛星は実際よりも大きく描画している。

他の動画は ›› アストロアーツYouTubeチャンネル [YouTube]

縞模様と大赤斑

天体望遠鏡で木星を見ると、縞模様があるのがわかります。口径5cm程度の小型望遠鏡でも、目立つ2本を確認できるでしょう。

口径が大きくなると、さらに多くの縞模様が見えてきます。気流が安定しているとき(風がないとき)や木星が空の高いところにあるときのほうが条件良く見えるでしょう。

さらに、大赤斑という模様も見えるかもしれません。大赤斑は地球数個分もの大きさがある、巨大な台風のようなものです。木星は約10時間で自転しているので、大赤斑が裏にまわっていることもあります。タイミングを見計らって観察するようにしましょう。

大赤斑が中央付近に見える日時:
7月(20〜22時ごろで、ある程度の高さ以上のもののみ) 1日 21時20分 / 6日 20時30分 / 13日 21時20分 / 18日 20時30分 / 23日 19時50分

木星の表面の模様

探査機「カッシーニ」が撮影した木星。縞模様や大赤斑(右下の赤い渦巻き)が見える。左下の黒い丸は衛星の影。クリックで拡大(photo: NASA/JPL/University of Arizona)。

ステラナビゲータで見え方をシミュレーション

天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」では、木星の見え方やガリレオ衛星の位置などを正確にシミュレーションできます。観測や撮影に便利です。

ステラナビゲータ活用法はこちら ›› ステラナビゲータで木星をシミュレーション
(2015年の例ですが、2017年にも応用できます)

「ステラナビゲータ」で木星やガリレオ衛星をシミュレーション

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アストロアーツのオンラインショップでは、天体望遠鏡や双眼鏡を多数取り扱っています。縞模様や衛星の動きを、自分の目で観察してみましょう。ライトやクッションなどの便利グッズや、太陽系のことが詳しくわかる書籍などもあります。

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2017年の天文現象は「アストロガイド 星空年鑑」でチェック!

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8月8日未明の部分月食のほか、アルデバランやレグルスが月に隠される恒星食、環が大きく開いた土星、……2017年には木星のほかにも興味深い天文現象や天体がたくさんあります。もちろん、日々の星々や月の満ち欠けなども楽しみです。

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木星に関するマメ知識

太陽系最大の惑星

木星は大きさ(赤道部分の直径)が地球の約11倍、質量が地球の約320倍ある、太陽系の惑星の中で最大の天体です。主成分は水素やヘリウムといった気体で、巨大ガス惑星に分類されます。また、約10時間で自転しており、これは太陽系の惑星の中で最速です。

表面の模様

特徴的な表面の模様は、木星の雲を見ているものです。雲は主にアンモニアやその化合物でできていますが、少量の他の物質が太陽光と反応することでオレンジ色に見えます。明るい部分(帯)は上昇気流の部分、暗い部分(縞)は下降気流の部分で、その中に見える大赤斑や白斑は木星の嵐です。まれに、木星に小天体が衝突し、その痕跡の模様が地上や宇宙望遠鏡で観測されることもあります。

また、非常に強い磁場を持っているため、北極や南極の周辺でオーロラが発生することもあります。

星座の中の動き

木星の公転周期は約12年です。したがって、地球から見ているとおよそ1年ごとに、星占いの星座を1つずつ進んでいくということになります。干支の12年で空を一巡することから、中国では「歳星(さいせい)」とも呼ばれます。

木星探査

1970年代に「パイオニア計画」や「ボイジャー計画」によって探査機が木星に接近し、表面の詳細な観測や環の発見、新たな衛星の発見などの成果を挙げました。

1989年に打ち上げられた探査機「ガリレオ」は、史上初めて木星を周回しながら観測を行いました。ガリレオは1995年から2003年にかけて木星やその衛星を観測し、数々の美しい画像や科学データをもたらしました。また、土星探査機「カッシーニ」や冥王星・太陽系外縁天体探査機「ニューホライズンズ」も、それぞれのメインターゲットへと向かう途中に木星を観測しています。

現在は探査機「ジュノー」が木星を周回しています。ジュノーはとくに、地球からはほとんど見えない木星の両極域を重点的に調べることを目的としています。

また、ハッブル宇宙望遠鏡によって衛星エウロパに間欠泉らしいものがとらえられたり、日本の科学衛星「ひさき」が木星磁気圏の観測を行ったりするなど、地上の天体望遠鏡や地球周回の衛星からの観測も活発に行われています。

探査機「ジュノー」の旅程。2011年8月の打ち上げから2016年7月の到着まで(ステラナビゲータでシミュレーション)。
※木星の自転が逆回転に見えるのは、シミュレーションの時間間隔の設定によるものです。