土星に「ハロ軌道」を持つ天体が存在するかもしれない

【2000年3月21日 The American Institute of Physics - Physics News Update 475 (2000/3/17)

惑星の軌道上の物体が電荷を帯びていなかった場合、その物体はの運動は重力により決定され、ケプラーの法則に従った楕円運動を行う。また物体が高い電荷を帯びていた場合、その物体の運動は惑星の磁気圏との相互作用により決定される(地球を取り巻くように分布する高エネルギー粒子の帯であるバン・アレン帯がその例である)。しかし、その中間で、電荷と質量のバランスがとれている場合に、「ハロ軌道(Halo Orbit)」と呼ばれる特異な軌道が考えられる。これは、赤道上空を通らない特異な軌道だが、現在土星に向かいつつある土星探査機「カッシーニ(Cassini)」により土星軌道上にこのような軌道を持つ天体が発見されるかもしれない。

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