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ペルセウス座流星群(2017年)

夏の定番天文現象「ペルセウス座流星群」。毎年8月13日ごろに多くの流れ星が見られます。

今年は13日明け方に活動がピークとなりますが、月が明るいため、目にできる流星数は少なくなりそうです。

安全やマナーに気をつけて、月から離れた方向を中心に夜空を見上げてみましょう。

一番の見ごろは12日深夜から13日明け方

極大時刻は13日午前4時

2017年のペルセウス座流星群の流れ星が最も多く流れる「極大時刻」は、8月13日午前4時ごろと予想されています。夜明けが始まり空が明るくなってくる時刻なので、実際にはその前の時間帯が一番見やすいでしょう。つまり、8月12日の深夜から13日の明け方ごろにかけてが一番の観察チャンスです。

月明かりの影響が大きい

流れ星の観察は街明かりや月明かりの影響を大きく受けます。今年は12日の深夜に昇ってくる下弦前の月(月齢20)が夜空を明るく照らすために、暗い流星が見えなくなってしまい、目にできる流れ星の数は少なくなりそうです。

13日未明0時から明け方4時まで、北東の空を眺めた様子。場所の設定は東京(ステラナビゲータでシミュレーション)。

他の動画は ›› アストロアーツYouTubeチャンネル [YouTube]

見える数の予想

見晴らしが良く空が開けた場所であれば、12日深夜から13日明け方には1時間あたり30個程度の流れ星が見えると予想されています。

今年の場合は月明かりの影響が大きいため、街明かりがある場所で観察しても街から離れたところで見ても、見える数に大きな差はないと考えられます。空気の透明度や月から離れたところの空の明るさ、視界の広さをなどを考えると、やはり街のほうがやや見えにくくなりますが、郊外では1時間あたり10〜15個ほどは見えるでしょう。ペルセウス座流星群の流れ星は明るいものも多いので、市街地でも1時間あたり5〜10個ほどは見えるかもしれません。

その前後の日や異なる時間帯の場合、見える流れ星の数はさらに減ってしまいますが、それでも普段の(活発な流星群のない)時と比べれば流れ星を目にできる可能性が高い時期です。ぜひあきらめずに空を見上げてみてください。

参考リンク:

観察のポイント

月から離れた方向を、広く見渡そう

流星群の流れ星は放射点(›› 解説)を中心として四方八方に飛びますが、いくつもの流れ星の流れた跡をたどっていくと放射点で交わるのであって、実際には空のいたるところに流れます。したがって、放射点のある北東の方向だけをじっと見つめるのではなく、空を広く見渡すのがポイントです。その点で、広場や校庭、河川敷など視界の開けたところが観察に適しています。

住宅地や自宅ベランダなど視界があまり開けていないところでは、街明かりの影響を避けるために街灯がない方向を眺めれば、流れ星が見つけやすくなります。月明かりの影響も大きいですが、月を直接目に入れないだけでも空の見え方はかなり良くなりますので、月に背中を向けたり月を建物で隠したりするなど工夫してみてください。

13日未明0時から明け方4時まで、空全体に流れ星が飛ぶ様子。場所の設定は東京。

ステラナビゲータで見え方をシミュレーション

天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」を使うと、流れ星が飛ぶ様子や周りの星座の見え方、撮影の構図などを調べられます。

ステラナビゲータ活用法はこちら ›› 「ステラナビゲータでペルセウス座流星群をシミュレーション」
(2015年の例ですが、2017年にも応用できます)

「ステラナビゲータ」でペルセウス座流星群をシミュレーション

15分くらいは見続けてみよう

1時間に20個の流れ星が見えるとすると、計算上は平均して3分に1個のペースで見えることになりますが、流れ方はランダムですので、立て続けに数個見えることもあれば10分近く見えないこともありえます。1つも見えないからと数分で諦めるのではなく、少なくとも15分くらいは見上げてみましょう。

この時期、未明のころの西の空には「夏の大三角」、天頂付近には「秋の四辺形」、北から東の空には「カシオペヤ座」や「プレアデス星団(すばる)」、金星などが見えています。ゆったりと星座や星を楽しみながら、流れ星が飛ぶのを待ってみてください。

13日明け方3時に、東→北→西→南→東の空を眺めた様子。場所の設定は東京。

モバイルアプリで星座探し

流れ星を待つ間は、星座探しをしてみましょう。iOS用の「iステラ」「iステラ HD」やアンドロイド用「スマートステラ」などのモバイルアプリを使えば、星や星座の名前がすぐにわかります。

※まぶしくないように、画面の明るさを調整しておくとよいでしょう。

他の製品は ›› モバイル製品情報

モバイル製品情報

そのほかのポイント

  • 流れ星を観察するために長時間夜空を見上げ続けていると首が痛くなります。アウトドア用のチェアやベッドがあればベストですが、安全な場所であればグラウンドシートに寝転がって見るのも快適です。
  • 観察場所によっては蚊の襲来に悩まされることがあります。虫除けを用意しましょう。
  • 大騒ぎしない、車や足元に注意する、子供だけで行動しないなど、マナーや安全にもじゅうぶん気をつけましょう。

ソラリラ(星空ベッド)

ベッドに寝転んで観察すれば、楽に広い範囲を見渡せます。

観察や撮影にあると便利なグッズ

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折りたたみ星座クッション

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スカイメモT

デジタル一眼レフやミラーレス一眼で流星撮影にチャレンジ。「ポラリエ」や「NEW ナノ・トラッカー」も

カメラレンズの結露を防止する電熱線式ヒーター。ハイパワー版の「EH」や、DC 12V電源対応の「LL」

流星撮影のポイントは「星ナビ」特集で!

月刊「星ナビ」2017年8月号(7月5日発売)、9月号(8月5日発売)で、ペルセウス座流星群を特集。

星ナビ2017年8月号「超高感度デジカメと超広角レンズで連写『ペルセウス座流星群を撮る』」

8月号「超高感度デジカメと超広角レンズで連写『ペルセウス座流星群を撮る』」では、放射点の存在が明確にわかる写真の撮り方を解説。

星ナビ2017年9月号「月明かりの中でペルセ群極大」

9月号「月明かりの中でペルセ群極大」では、月が照らす地上風景と共に流れ星を撮影する狙いやカメラの設定、撮影後の画像編集などを解説。

流れ星が見えるしくみ

ペルセウス座流星群とは

一年のうちある決まった時期に、星空の中のある点の付近を中心として流れ星が飛ぶ現象が流星群です。流星群は現在100個近くが知られていますが、ペルセウス座流星群はしぶんぎ座流星群(1月4日ごろ)、ふたご座流星群(12月15日ごろ)とともに「三大流星群」の一つとして数えられる、活動が活発な流星群です。

ペルセウス座流星群は、毎年8月13日前後に多くの流れ星が飛びます。活動が安定しており、ほぼ期待どおりに流れ星を見ることができます。寒くないことや夏休みの時期に当たることも、流れ星観察には好条件です。

放射点

流星群の流れ星は、天球上のある点の付近を中心として四方八方に放射状に流れるように見えます。この点を「放射点」と呼び、放射点の位置する(または放射点の近くの)星座や恒星の名称が流星群の名前として付けられます。ペルセウス座流星群の場合はペルセウス座のあたりに放射点があるので、この名前で呼ばれています。

夜空に鮮やかな光跡を残す流れ星

夜空に鮮やかな光跡を残すペルセウス座流星群の流れ星。クリックで拡大。

実は平行に降る、流星群の流れ星

流れ星(流星)は、宇宙空間に散らばっている小さな塵(流星物質)が地球の大気圏に飛び込んで大気中の原子や分子と衝突し、上空100km前後でプラズマ発光する現象です。

平行に降る流れ星

平行に降る流れ星。クリックで拡大。

地球が塵の集まりとぶつかると、流星群の流れ星は雨のように平行に降ります。平行に飛び込んでくる流れ星が放射点を中心として放射状に流れるように見えるのは、一直線の道路の両端が遠方の一点から伸びてきているように見えるのと同じ理由です。

流れ星の見かけの動きは、放射点付近では経路が短く、放射点から離れるほど経路が長く見えます。とくに放射点では、流れ星は観察者に向かってくるように見えます(静止流星)。

流れ星の実際の動きと見かけの動き

流れ星の実際の動きと見かけの動き。クリックで拡大。

ペルセウス座流星群の起源

塵を放出して流星群の原因となる天体を母天体と呼びます。この母天体の軌道と地球の軌道が交差していると、毎年同じ時期に地球がその交点付近を通る際に、塵の集まりと地球がぶつかることになります。したがって、流星群の流れ星は毎年同じころに同じ方向から飛んでくるように見えるのです。

ペルセウス座流星群の母天体は、約135年周期で太陽系を巡っているスイフト・タットル彗星(109P)です。現在スイフト・タットル彗星は地球から遠く離れたところにありますが、彗星から放出された塵は彗星の軌道上に広がって分布しており、彗星と同じ軌道を運動しているので、ペルセウス座流星群の流れ星は彗星の位置に関わらず毎年多く見られます。

流星群と彗星の関係

流星群と彗星の関係。クリックで拡大。