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2015年 皆既月食

月食を撮ろう

月や月食をきれいに撮影するコツは、露出やシャッター速度などを調整して、取り入れる月の光の量を上手に抑えることです。部分食の時は明るくつぶれやすいのであまり光を取り入れないように。反対に、皆既食の時は暗すぎてうまく写らないので、たくさん光を取り入れるようにします。

過去の投稿ギャラリー(下記)も参考にしながら、一夜限りの天体ショーを思い出に残しましょう。

2014年10月8日 皆既月食 / 2014年4月15日 部分月食 / 2013年4月26日 部分月食 / 2012年11月28日 半影月食 / 2012年6月4日 部分月食 / 2011年12月10日 皆既月食 / 2011年6月16日 皆既月食 / 2010年12月21日 皆既月食 / 2010年6月26日 部分月食 / 2010年1月1日 部分月食

スマートフォンカメラで

スマートフォンや携帯のカメラで月を撮影すると明るくつぶれた点のようにしか写りませんが、色や明るさの変化はわかるので、風景や友達と一緒に撮影して記念写真として楽しむにはじゅうぶんです。

月自体の撮影ツールとしてはあまり多くを期待できませんが、それでももうひと工夫したい場合には、自由に設定できない露出やシャッター速度をうまく“誘導”して、月の明るさに対応させましょう。

たとえばiPhoneのiOS7なら、明るい場所を背景に画面を長押しして「AF/AEロック」すると、「あまり光を取り入れなくてもよい」モードをキープできます。この状態で月に向けてシャッターを押すと、明るくつぶれずに撮影できます。高機能のカメラアプリを使うなどの方法もあります。

月を大きく写すには、アダプタ付きの双眼鏡や専用レンズを使うといった方法がありますが、露出をうまく調整できればサイズはそれほど気にならないかもしれません。

「デジタルカメラ星景写真撮影術」

「デジタルカメラ星景写真撮影術
プロに学ぶ作例・機材・テクニック」

これから天体写真を始める人向けに星景写真の撮り方を解説するムック。「景色とともに月食を撮る」テクニックも紹介 ≫ 詳細

iPhoneで撮影した月

デジタルカメラで

コンパクトデジカメで撮影する場合は、フラッシュ禁止にして夜景モードやマニュアルモードに設定します。マニュアルモードでは、シャッター速度を速く設定すると月の明るさを抑えられます。

皆既中の暗い月は、長めの露出で撮影します。オートモードしかない機種の場合、手前に明るい風景を入れて自動的に露出を短くすると、きれいなショットが撮れるかもしれません。

望遠レンズや望遠鏡を取り付けて月を大きく写すなら、デジタル一眼レフやミラーレスカメラを三脚に載せて撮影するのがおすすめです。

ステライメージ7

天体画像処理ソフトウェア「ステライメージ7」

豊富な機能で、デジタルカメラなどで撮影した月食写真を思いのままにより美しく処理できます ≫ 詳細

風景を取り入れた月食の撮影(撮影:Y.Tanakaさん。クリックで投稿ギャラリーへ)

月食の経過写真

多重露出による食の進行写真にもチャレンジしてみましょう。デジタル時代の今は、一定時間ごとに撮影したものを画像処理ソフトで比較明合成すれば、食の経過を収めた1枚の画像が簡単にできあがります。

撮影間隔の目安は5分ですが、とりあえず短めの間隔で、露出を変えたものを数枚ずつ撮っておけば合成時に調整することも可能です。

「ステラナビゲータ」

天文シミュレーションソフトウェア
「ステラナビゲータ」

写野や地形、月食の経過などを表示。月食+地上風景の構図検討や、地球の影が浮かび上がる連続写真など、さまざまな撮影シミュレーションに役立ちます ≫ 詳細

≫ 月刊「星ナビ」2015年4月号で、月食撮影での活用方法を徹底解説

月の位置と画角

ステラナビゲータでは、焦点距離や画角を設定して写野角をシミュレーションすることができます。クリックで拡大(2014年10月8日の例。星ナビ2014年10月号より)。

ビデオカメラで

ビデオカメラは意外にコンパクトデジカメよりも望遠機能が強力なので、月を大きく写すことができます。このときもマニュアルで露出を調整したり、夜景モードにするなど工夫してみましょう。月食を見ながらの会話も録音しておくといい記念になります。