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2005年4月24日 半影月食(月出帯食)

(説明図)
ステラナビゲータ Ver.7 で作成

4月24日は満月で、東京での月の出は18時19分となっている。日没が18時21分なので「菜の花や月は東に日は西に」の有名な句のとおりの光景が見られることになる。何の気もなしに見ている分にはその通りなのだが、じつは、この月の出のとき、満月は地球の影の部分を通過中で半影月食となっているのだ。

もちろん、本影の中に入りこんでいれば、月はちゃんと欠けて見えるのだが、半影は淡いものなのでちょっと目にはとても月食になっているとは思えず、ふだんのまん丸な満月と少しも変わりがないように見えることになってしまう。

満月が地球の半影部分にもっとも深く入りこむのは、18時55分。今回の半影月食は、半影食としては案外深く入りこむ。このため月の出直後のころは、薄暗くなった部分が比較的わかりやすいだろう。月の高度が低いので、できるだけ東の視界が低空まで開けている場所で見るようにしなければならないが、このとき満月の左上部分がいくらか暗くなっているのがわかればまず上々といえるだろう。

月の高度が高くなるにつれ、半影部分から外れてくるので、心もち薄暗くなっている部分も通常の明るさに戻って半影月食中のイメージも薄れてくる。できるだけ早目に楽しむようにしたいところだ。

なお、肉眼ではわかりづらい半影月食も、写真なら明暗がオーバーに表現しやすく、思ったより興味深くとらえることができるので、試してみるとよいだろう。