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星ナビ news file 2004年しし座流星群の流星体による月面衝突発光関連情報

2004年しし座流星群:1001年放出のダスト・トレイルによる活動について

2004年11月9日朝、観測できる可能性について

情報提供: 大西浩次(長野工業高等専門学校)

今年、2004年のしし座流星群の予報がいくつか出ています。その予報の中で、大変興味深いものが、今から1000年以上前の1001年の回帰のときに作られたダストトレール(DT)による流星が11月9日の朝に観測できるかもしれないと言うことです。

VAUBAILLONさんほかの予報
http://portail.imcce.fr/en/ephemerides/phenomenes/meteor/leonids/Leonid_forecast_2004.php
によれば、2004年 11月8日 23:30 (UT)に、ZHR 50 (100?) の出現を予報しています。日本時では11月9日の午前8時30分ということで、残念ながら日の出後の現象ですから、実際に流星を目で見る事は難しいでしょう。
しかし、電波観測ではちょうど良い時間です。1000年以上前の流星が果たして検出できるか興味深いものです。電波の観測者は要注意ですね。

さて、日本の佐藤幹哉さんも同様の予報をしています。
さらに、月への接近も計算されています。
当日は月齢25の月です。ちょうど、地球より先に約2時間前に月にDTが接近します。
佐藤幹哉さんの算定的な計算では、放出速度が49.51m/sのDTが午前6時30分に、放出速度が47.50m/sのDTが午前7時17分に月に最接近します。

ところで、今年のペルセウス流星群の時に、ペルセウス流星群の流星体による月面衝突発光現象が観測されました。
http://www.ice.uec.ac.jp/yanagi/Japanese/ImpactFlash.html
今回も、日本から、光学的に1001年DTを検出しようとすれば、夜明け前の月面衝突発光の観測が考えられます。
当日は、月齢25の月で、6時近くまで観測可能です。
しかし、放出速度も50m/sと早いので、明るい(大きい)流星体は期待できそうにありません。
月面衝突の観測可能エリアは電通大の柳澤正久さんのHPに示してあります。
http://www.ice.uec.ac.jp/yanagi/Japanese/ImpactFlash/2004Leonids.html

我々は、1001年DTによる月面衝突発光は多分無いだろうと考えています。
しかし、長野高専と電通大は、光学観測でできる有効な観測法であり、かつ、今後のしし座流星群の月面衝突発光観測のリハーサルになるということで、11月9日の早朝午前4:00から6:00(日本時間)まで月面衝突発光の観測を予定しています。危難の海を中心に観測します。
観測の方法などは、
http://www.ice.uec.ac.jp/yanagi/Japanese/ImpactFlash.html
を参考にしてください。

なお、今年のしし座流星群で、日本からの月面衝突発光の観測の可能性のあるのは、1333年DTによるものです。
11月19日の18時から20時までの2時間をキャンペーン最重要時刻としたいと思います。詳しくは、HP等で近日中に連絡します。

大西浩次  ohnishi@ge.nagano-nct.ac.jp

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