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2019年1月6日 部分日食

2019年12月26日(木)、昼2時過ぎごろから夕方16時半ごろにかけて、日本全国で部分日食が見られます。今年1月6日にも全国で部分日食が見られましたが、一年の締めくくりにも日食です。

太陽の高度が低く、東日本では欠けた状態で太陽が沈みます。時刻と高度、観察や撮影の場所を事前にチェックしておくことがポイントです。安全にもじゅうぶん気をつけて楽しみましょう。

日食の時刻と欠け方

日食の時刻(始まり、最大)は地域によって異なりますが、おおむね「14時〜14時30分ごろに始まり、15時30分ごろに欠け具合が最大になり」ます。終わる時刻はだいたい16時30分ごろですが、静岡〜新潟あたりより東の地方ではこれよりも早く(つまり日食が終わる前に)太陽が沈みます。このような「欠けた太陽が沈む」日食のことを「日没帯食」や「日入帯食」と呼ぶことがあります。

欠け具合は「食分」という値で表します。太陽の直径のうち、どれだけ月に隠されているかを示す数値です(›› 説明図)。日本では、だいたい南の地域ほど最大食分が大きくなります。

時刻だけでなく方位や高度も重要なポイントです。方位はおよそ南西、日食が始まるときの太陽の高度は10〜25度くらいです。冬至の4日後なので昼過ぎの時点でも太陽はかなり低く、札幌では日食開始時の太陽高度は12度しかありません。観察予定の場所からどのように見えそうかを事前に確認し、とくに南西方向の見晴らしが良い場所(写真撮影をする場合には前景になりそうなものがある場所)を探しておきましょう。

都市名始まり最大終わり
時刻高度時刻高度食分欠ける面積時刻※高度
札幌14:31.51215:27.1 50.2716%16:05.2*--
仙台14:30.01615:33.3 70.3523%16:22.2*--
東京14:28.21915:35.5 90.3927%16:33.9*--
大阪14:22.62315:31.6130.3725%16:32.7 3
福岡14:14.02715:25.3180.3523%16:28.3 8
那覇14:02.33615:27.6240.4736%16:40.4 12
石垣13:51.54015:21.7290.4937%16:38.5 16

※終わりの時刻に*が付いているものは、終了時刻ではなく日没時刻を記載。

日本各地の日食の時刻と最大食分

日本各地の日食の時刻と最大食分(ステラナビゲータエクリプスナビゲータで作成)。画像クリックで表示拡大。

札幌、東京、那覇から日食を見た様子。欠け方や太陽の高度の違いがわかる(ステラナビゲータでシミュレーション)。

他の動画は ›› アストロアーツYouTubeチャンネル [YouTube]

安全な観察のために

日食を観察するときは、以下の点に十分注意してください。誤った方法で見ると、失明等の重大な視力障害を引き起こすおそれがあります。

[PDF]「日食を安全に観察する」
(「星ナビ2012年6月号」より)

減光フィルターを正しく使いましょう

日食(太陽)を見るには、観察用の減光フィルターが必要です。めがねやプレートなど、様々なタイプのものがあります。

  • 双眼鏡や天体望遠鏡と組み合わせて使ってはいけません(可能と明記された一部の製品を除く)。普通の視力矯正用眼鏡やコンタクトレンズを着けたまま、フィルターで観察するのは問題ありません。
  • 使用する前に、フィルターに穴が空いたり破れたりしていないか確認しましょう。
  • まず、視線を下げた状態で、体だけ太陽の方向に向けます。
    次にフィルターを顔の前にかざし、それから太陽を見上げます。
    見終わったら、視線を下げてからフィルターを外します。
  • フィルターを使用していても、長時間(目安として2、3分以上)続けて観察してはいけません。時々、目を休めましょう。

日食観察用グッズ

日食観察用グッズは「アストロアーツ オンラインショップ」でお取り扱いしています。下敷きのように見えるのは安全が確認されている「日食観察プレート」です。

日食は、減光しなければ肉眼では見えません

「日食めがねなどがなくても、ちらっと見ればいいや」なんて思っていませんか。太陽が欠けているといっても明るさは普段の太陽とほぼ同じです。減光する観察道具を使わなければ、まぶしすぎるために欠けている様子は全くわかりません。そればかりか、短時間であっても肉眼で無理に見ようとすると、目にダメージを与えるおそれがあります。

肉眼では見えません

うす曇りでも肉眼での観察は危険です

うす曇りになると減光する道具越しでは太陽が見えないので、つい道具を外して肉眼で見てしまいがちですが、これも危険です。目がまぶしさに慣れてしまうために危険な光量にもかかわらず見続けてしまったり、雲間から急に太陽が出てきたりするおそれがあります。

うす曇りのときもじゅうぶん注意が必要です

「日食(太陽)観察用」以外の道具で見てはいけません

サングラスや黒いビニール袋など日食観察に使えそうなものでも、可視光線が十分カットされていなかったり、紫外線や赤外線といった目に有害な光線を通したりすることがあるので危険です。

必ず「日食(太陽)観察用」と明記された製品を使いましょう。

また、撮影で用いるNDフィルターも、肉眼での観察には使えません。

紫外線や赤外線も弱める必要があります

「太陽投影板」という器具を望遠鏡に取り付けて大きく拡大して観察する方法や、ピンホールを利用する方法などもあります。詳しくは[PDF]「日食を安全に観察する」などを参考にしてください。

日食について

日食とは、太陽−月−地球がほぼ一直線上に並んだときに地球から見て月が太陽の前を通り、太陽の一部または全部を隠してしまう現象です。大きく3タイプに分かれます。

皆既日食

太陽と月の中心がほぼ重なり、太陽がすべて隠されるタイプの日食です。2017年8月21日(現地時間)に北米大陸で見られた日食や2019年7月2日(現地時間)に南米で見られた日食が皆既日食です。

皆既中の数分間は空が夜のように暗くなり、肉眼でも太陽の外気層である「コロナ」が輝いて見えます。あらゆる天文現象のなかでも、とりわけドラマチックなもので、とくに皆既食の始まりと終わりに瞬間的に見える「ダイヤモンドリング」はハイライトです。

皆既日食が起こるのは「皆既帯」と呼ばれる領域の範囲内だけで、皆既帯の南北の中心に近いほど、また東西の中央付近ほど、皆既食の継続時間が長くなります。また、皆既帯の外の広い範囲で部分日食が起こります。

皆既日食の説明図

金環日食

太陽と月の中心がほぼ重なるという点で皆既日食と似ていますが、月が地球から遠い場合には月の見かけの大きさが小さいので、太陽をすべて隠すことができません。そのため、太陽と月がちょうど重なっているときにも太陽の外縁部分がリング状に見えます。金環日食では空は真っ暗にはなりません。

金環日食も「金環帯」と呼ばれる領域の範囲内だけで起こり、その外の広い範囲で部分日食となります。今回2019年12月26日の日食はこのパターン(›› 解説)です。金環帯はアラビア半島〜インド南部〜シンガポール〜グアムなどを通っていて、その外側の日本などでは部分日食が起こります。また、2012年5月21日には日本の太平洋岸を金環帯が通りました。

金環日食の説明図

部分日食

月が太陽の一部だけを隠すタイプの日食です。皆既日食や金環日食の際に中心食帯の外側で見られ、中心食帯に近いほど太陽が大きく隠されます。2019年12月26日にインド洋、インドネシアなどで起こる金環日食では、日本でも部分日食が見られます。

また、世界中のどこでも部分日食しか起こらないという場合もあります。今年2019年1月6日に起こった日食はこのパターンです。

皆既日食の説明図

日食ギャラリー

2012年5月21日 日本横断金環日食でのベイリーズビーズ(撮影:大熊正美(アストロアーツ)、協力:磯谷英志(ウェザーニューズ)、早出誠、宮林健治(信州スカイパーク))

2015年3月20日 北大西洋・スヴァールバル諸島・北極海皆既日食(撮影:上山治貴(アストロアーツ))

2017年8月21日 2017年8月21日 アメリカ横断皆既日食(撮影:大熊正美(アストロアーツ))

今回の日食

今回の日食はアフリカ東部からアジア全域、オーストラリア北西部、グアムなどで見られます。金環日食となるのはアラビア半島〜インド南部、シンガポール、グアムなどで、その外側の広い地域で部分日食となります。

図の説明

  • 黄色の線とオレンジ色の線で囲まれた範囲で日食が見られます。
  • 黄色の線の内側では最大食(その場所で太陽が最も大きく欠ける状態)を見ることができます。
  • オレンジ色の線のうち外側は「(左上)日出時に部分食が終わるか、(右上)日没時に部分食が始まる」限界線です。内側は「日出時に部分食が始まるか、日没時に部分食が終わる」、つまり部分日食を全過程見られる範囲を表します。
  • 金環日食が見られるのは、「金環帯」と呼ばれる細い帯状の範囲です。赤い中心線上では、その帯の部分(南北のうち)で最も長い時間、金環食を見ることができます。
    反対に帯の南北端付近では、金環食は一瞬しか見られませんが、月縁の凹凸が太陽の端と重なって光点が途切れ途切れに連なる現象「ベイリーズビーズ」を見ることができます。

日食帯

日食帯(エクリプスナビゲータで作成)。画像クリックで表示拡大。

グアムから日食を見た様子。金環食の継続時間は3分2秒、太陽高度は約13度(ステラナビゲータでシミュレーション)。

エクリプスナビゲータ

日食撮影+シミュレーションソフト「エクリプスナビゲータ」は、月縁を考慮して正確に日食を再現し、地図表示や連続撮影など高度なシミュレーションを行うことができます。さらに、スケジュールに沿ってカメラを制御し撮影を自動化できるので、日食観望に集中できます。

過去、将来の日食

2016年〜2024年の日食の一覧です。日付はいずれも「Greatest Eclipse(最も太陽が大きく欠ける)地点で日食が最大となる時刻を含む日本時間」で表しています。

日本で次に日食が見られるのは来年2020年6月21日(夏至)で、夕方ごろ全国で部分日食が見られます。今回と同様に、南西日本ほど太陽が大きく欠け、アラビア半島〜インド北部〜中国・台湾などで金環日食となります。日本で皆既日食が見られるのは2035年9月2日(皆既帯は北陸〜北関東)、金環日食が見られるのは2030年6月1日(金環帯は北海道)です。

日付種類主な観測可能地域日本での見え方
2016年
3月 9日
皆既インドネシア、北太平洋全国で部分日食
2016年
9月 1日
金環中部アフリカ、南インド洋
2017年
2月26日
金環南大西洋、アフリカ
2017年
8月22日
皆既北アメリカ、中部大西洋
2018年
2月16日
部分南極
2018年
7月13日
部分オーストラリア南部、南極
2018年
8月11日
部分ロシア、中国
2019年
1月 6日
部分中国、日本、北太平洋全国で部分日食
2019年
7月 3日
皆既南太平洋、南アメリカ
2019年
12月26日
金環インド洋、インドネシア全国で部分日食
(東日本では日没帯食)
日付種類主な観測可能地域日本での見え方
2020年
6月21日
金環アフリカ、アラビア半島、インド、中国、台湾全国で部分日食
2020年
12月15日
皆既南太平洋、南アメリカ、南大西洋
2021年
6月10日
金環カナダ、北極海、シベリア東部
2021年
12月 4日
皆既南極
2022年
5月 1日
部分南アメリカ
2022年
10月25日
部分ヨーロッパ、北アフリカ、中近東
2023年
4月20日
金環
皆既
インド洋、インドネシア南西諸島、九州南部、紀伊半島などで部分日食
2023年
10月15日
金環北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカ
2024年
4月 9日
皆既北アメリカ
2024年
10月 3日
金環南アメリカ南部

過去の日食で日付からリンクされているものは、天体写真ギャラリーへリンク。

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「アストロガイド 星空年鑑 2020」

半年後の2020年6月21日の夏至の日にも再び、日本全国で部分日食が見られます。その他に2020年は10月に火星最接近、年末ごろに木星と土星が超大接近など、楽しみな天文現象や面白い天体がたくさんあります。もちろん、日々の星々や月の満ち欠けなども美しいものです。

「アストロガイド 星空年鑑 2020」ではそんな見どころや季節の星座を、書籍とDVD番組で詳しく紹介。さらに付属の天文シミュレーションソフトで、現象の見え方や時刻などを調べることもできます。

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