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2006年3月29日 皆既日食 〜アフリカから中央アジアにかけて、最長4分〜

日本時間の2006年3月29日(水)夕方から夜にかけて、久しぶりの好条件となる皆既日食が北アフリカを中心とした地域で見られます。残念ながら日本では皆既日食も部分日食も見られませんが、インターネット中継などで楽しむとよいでしょう。

今回の日食について

日食とは

地球上ではときどき、太陽が欠けてしまう現象が見られます。これが日食です。

日食を宇宙からながめると、太陽と地球の間に月が入り、月の影が地球の表面に落ちていることがわかります。影になった地域だけで日食が見られます。

月と太陽は、地上からの見かけの大きさがほぼ同じです。そのため、月が太陽を完全に隠すことがあります。このときに見られるのが「皆既日食」です。

一方、太陽、月、地球の距離は少し変化するため、月の見かけが太陽より少し小さいこともあります。このときに完全な日食が起こると、太陽の縁だけが見える「金環日食」になります。太陽の一部が月で隠されることを「部分日食」といいます。部分日食では太陽と月と地球が完全に一直線にならない場合や、皆既日食が起こっている地域の周辺で起こります。

(「太陽系ビジュアルブック」より、一部改変)

今回はどう見える?

皆既帯の全体図
皆既時間最長地点と主な観測候補地

(画像は「エクリプスナビゲータ」で作成)

3月29日の日食は、左上の図で赤線で囲まれた地域(日食帯)において、太陽が完全に月に隠される皆既日食となります。図では南米・ブラジルの東端から北モンゴルにかけて日食帯が伸びていますが、よい条件で皆既日食が見られるのはアフリカから中央アジアにかけての地域です。皆既日食の状態が最も長く続くのは、アフリカのリビアとチャドの国境付近で、4分7秒続きます。このほか、右上の図で示されているエジプトやトルコなどの地域でも、3分以上皆既日食が続きます。

皆既日食が見られる地域の周辺では、部分日食となります。残念ながら、日本では皆既日食はもちろん部分日食も見ることができません。日本で次に皆既日食が起こるのは2009年7月22日のことで、鹿児島県のトカラ列島などで見られます。

日食を楽しむには

日本から日食を見ることはできませんが、リアルタイムで「観察」する手段はあります。その手段とは、インターネットによる中継です。

非営利団体ライブ!ユニバースによるプロジェクト「LIVE! ECLIPSE 2006」ではリビア、エジプト、トルコの3ヶ所からの中継を予定しています。日本時間で夕方から夜にかけて見られるので、ご自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか。

再現してみよう

ステラナビゲータ Ver.7による皆既日食のシミュレーション画面

夜空をシミュレーションするソフト「ステラナビゲータ Ver.7」は、昼間の現象である日食も、もちろん完全に再現できます。左の図は、トルコ・アンタルヤでの皆既日食のようす(現地時間29日12時56分)を再現したところです。観測地を変更したり、日食の様子をアニメーションで見ることもできます。なお、ステラナビゲータ Ver.7をお持ちですぐに再現してみたい方は、snsファイル[皆既日食(地中海).sns]をダウンロードすることでアニメーションが見られます。

さらにこだわりたい日食ファンの方には、日食現象専用シミュレーションソフト「エクリプスナビゲータ」がお勧めです。

日食帯の表示や、接蝕時刻、天空上での日食経過を表示させて、観測計画を立てるだけでなく、リアルタイム運転で、各接蝕時刻までのタイムテーブルを表示したり、音声で知らせる機能も備えています。「エクリプスナビゲータ」でご利用いただける最新ベッセル要素アップデータを追加することで、今回の皆既日食の最新データをはじめ、2006〜2010年に起こる9回の日食と、2013年・2031年の金環皆既日食をシミュレーションすることができます。

過去の日食

投稿画像ギャラリー

天体画像ギャラリー日食のコーナーで、皆様からご投稿いただいた過去の日食の画像などを公開しています。

日食のDVD・ビデオ

アストロアーツオンラインショップでは皆既日食の映像を収めたDVDやビデオを扱っています。