Location:

2005年夏の星空三昧

2005年この夏のポイント

流星の夏開幕 ピークは8月12日〜13日のペルセウス座γ流星群

ペルセウス座流星群

 夏は一年の中で最もたくさん流星が見える季節です。この時期は、海や高原など、都会を離れて空の綺麗なところへ出かけるチャンスが多いうえ、夏祭りや花火大会など夜の外出機会も他の季節よりは多くなります。さらに、この時期は実際にたくさんの流星群が活動していますから、流星を見るチャンスも多くなる……というわけです。

 夏に活動する流星群の中でも注目すべきは「ペルセウス座γ流星群」です。毎年8月のお盆の帰省時期(ピークは8月11日から14日くらい)に出現する流星群で、月明かりのない良く晴れた空なら、1時間に数十個の流星を見る事ができます。

 流星の放射点となるペルセウス座は8月12日ごろの宵の北東の空低くにはもう姿を見せています。したがって翌13日の夜明け前までほぼ一晩中観測できることになります。ビーチチェアやシュラフなどに横たわって、なるべく広い視界を確保しましょう。

 流星の観察は肉眼が一番。特に必要な機材もありませんから気楽に見上げることです。流星観察の邪魔になるのは、水銀灯やネオンサインなど人工的な光だけではありません。月の光もまた暗い流星をかき消してしまいます。今年はピークの頃は上弦の月ですから、夜半頃までに月は西の地平線に沈んでしまいます。条件は決して悪くありません。

 ぜひ、夏の天文風物詩と呼ばれる流星花火を楽しんでください。

ペルセウス流星群放射点図

《コラム》放射点ってなに?

流星群の流星(群流星)は、発光経路を逆にたどっていくと、星空のある1点から出てくるように見える。この点を「放射点(輻射点)」という。実際には放射点は完全な1点ではなくて、ある広がりを持った円形の天域である。また流星物質は固有の軌道をとり、さらに地球は公転によって位置を変えていくために、放射点の位置も変化していく。その移動量は、1日あたり東に約1度である。(最新デジタル宇宙大百科より)

※右の星図は、ステラナビゲータ Ver.7によるペルセウス流星群放射点図。放射点は星座早見盤などでも知ることができる。

ステラナビゲータ Ver.7 snsファイルステラナビゲータ Ver.7で実際の星空の動きがご覧いただけます。snsファイル[ペルセウス座流星群が極大.sns]

関連リンク

【特集】2005年 ペルセウス座流星群

夏の星座を楽しもう

流星の写真を撮ってみよう

星座早見盤の使い方

アストロアーツオンラインショップ
→ステラナビゲータ Ver.7(販売終了) / 星ナビ8月号「ペルセウス座流星群特集」 星座早見盤

火星がだんだん大きくなる 10月30日最接近に向けて視直径10秒を超える

火星接近の様子 2003年夏に大接近して話題となった火星が今年10月30日に再び地球に接近します。

 8月の火星はペルセウス座流星群のピークのころには、22時過ぎに東の地平線から真っ赤な輝きを見せながら昇ってきます。明るさもマイナス0.4等と明るいのですぐに見つけられるでしょう。

 また、午前1時を過ぎる頃には東の地平線からおうし座の1等星アルデバランも昇ってきます。アルデバランも赤みを帯びた星ですが、火星の赤みは表面を覆う砂の色、アルデバランは表面温度が低いためです。

 そんな事を考えながら2つの星の赤さを見比べてみても面白いでしょう。

※右の星図は、ステラナビゲータ Ver.7による火星接近の様子

ステラナビゲータ Ver.7 snsファイルステラナビゲータ Ver.7で実際の星空の動きがご覧いただけます。snsファイル[火星が地球と大接近.sns]

関連リンク

天体望遠鏡で惑星を楽しもう

アストロアーツオンラインショップ
→ステラナビゲータ Ver.7(販売終了) / 火星くるくる / Planetica(惑星儀)(販売終了)

夕方の西空に輝く木星と金星 月が接近する8月8日〜10日は特に注目

月と金星、木星が接近

 夕方の西天低い宵の明星の金星の輝きが目を引いていますが、8日の夕空では、三日月がすぐ近くにやってくるのですばらしいながめとなります。少し離れたところには木星がいて、月は少しずつ太りながら、10日には木星と接近します。

※右の星図は、ステラナビゲータ Ver.7による8月8日の様子

ステラナビゲータ Ver.7 snsファイルステラナビゲータ Ver.7で実際の星空の動きがご覧いただけます。snsファイル[月と金星、木星が接近.sns]

関連リンク

双眼鏡の使い方

アストロアーツオンラインショップ
→ステラナビゲータ Ver.7(販売終了) / 双眼鏡

青い惑星にチャレンジ? 海王星を見る

海王星が衝

 海王星の星空の中での動きはゆっくりで、この夏も昨年と同じくやぎ座の逆三角形の北の辺りを移動しています。その海王星が8月9日に太陽の真反対側にやってきてとなり観望の絶好期となります。海王星の明るさは7.8等なので明るいとはいえませんが、双眼鏡でもその姿は楽に見えるので、見るだけなら難しい対象というわけではありません。

 海王星はこのころ、やぎ座の逆三角形の北よりの中ほどにあるθ星のすぐ北を移動しているので、θ星を目印にすればその姿は双眼鏡でも見つけられます。

※右の星図は、ステラナビゲータ Ver.7による9日0時の南天

ステラナビゲータ Ver.7 snsファイルステラナビゲータ Ver.7で実際の星空の動きがご覧いただけます。snsファイル[海王星が衝.sns]

 θ星との最接近は10月26日のことで、θ星が4.1等星なので、7.9等の海王星の方がずっと淡く注意深く見る必要があります。海王星はθ星との位置関係から移動を確認するのがよいでしょう。

《コラム》衝[しょう]ってなに?

外惑星が、地球から見て太陽の反対側に位置して、太陽−地球−外惑星と並ぶときを衝(しょう)という。このとき、外惑星をほぼ一晩中観測することができるようになり、もっとも観望に適した時期となる。(最新デジタル宇宙大百科より)

関連リンク

双眼鏡の使い方

アストロアーツオンラインショップ
→ステラナビゲータ Ver.7(販売終了) / 双眼鏡

早起きは…得? 明け方の空で水星を探そう

水星が西方最大離角

 太陽系の一番内側をまわる水星は、動きがめまぐるしく、7月上旬に夕空で見やすくなったと思っているうちに、たちまち夜明け前の東天にまわって8月24日に西方最大離角になる。

 夜明け前の水星の見え方としては、今年の内では地平からの高度も高く見やすくなるので、お目にかかりにくい水星の姿を見るにはチャンスとなる。水星の明るさは-0.1等なので、肉眼でも見つけるのは難しくないが、夜明け前の東天低いので、双眼鏡を使った方が見つけやすいだろう。なお、水星が東に昇りはじめるのは、24日の東京で午前3時40分となる。

※星図は、ステラナビゲータ Ver.7による24日夜明け前の東天。

ステラナビゲータ Ver.7 snsファイルステラナビゲータ Ver.7で実際の星空の動きがご覧いただけます。snsファイル[水星が西方最大離角.sns]

関連リンク

双眼鏡の使い方

アストロアーツオンラインショップ
→ステラナビゲータ Ver.7(販売終了) / 双眼鏡