ステラショット2の新機能

スーパー・ポーラー・アライメント

ステラショットの「スーパー・ポーラー・アライメント」(特許第6892166号)は、観測した天体の動きから極軸方向を算出し、極軸合わせを補助する機能です。

星空を撮影しその動きを解析することで、極軸のズレを検出。その後明るい星を導入して、画面内で中心になるように赤道儀を調整することで、極軸合わせができます。

ここで導入する「明るい星」としては、精度を良くするためいくつか条件はありますが、任意のものが使えます。

天候や地形的な障害物、ベランダのような北極星が見えない場所でも、極軸を正確に合わせることが可能です。

無線制御デバイス「GearBox」

「GearBox」は、ステラショットのために開発した赤道儀・カメラ・オートガイダーの無線制御デバイス。取り回しの面倒な、制御PCと赤道儀をはじめとした観測機器との接続を無線化できるため、撮影スタイルの自由度が大幅に向上します。

その内部は、小型PC「Raspberry Pi」オープンソースの天体制御システム「INDIGO」を搭載し、アストロアーツで開発したツール群を加えてパッケージングしたものです。

ステラショット2はこの「INDIGO」との通信に対応したため、それぞれをご自身でご用意いただき適切にセットアップすれば同様のことが実現できますが、コンピュータに関する広範な知識が要求され、時間もかかる作業になります。

アストロアーツの「GearBox」は、これらのツールを全てセットアップ済みの状態にしてパッケージングしてあるので、すぐに使い始めることが可能。「Raspberry Pi」やUNIX系OSの扱いに馴染みのない方でも、簡単に無線制御をお使いいただけます。

オープンソースで開発されている「INDIGO」は、コミュニティベースで様々な機器の制御に対応しています。ソニーαシリーズにも対応しているので、これまでステラショットから直接接続できなかったαシリーズのカメラも、GearBoxを介することで使用することができます。今後もGearBox経由での対応機材を増やしていく予定です

  • 大きさ:63 × 94 × 32 mm
GearBox

様々な撮影モード

スケジュール撮影
撮影対象や露出設定、撮影タイミングなどを設定し、自動的に撮影します。複数の天体を次々に撮影することが可能です。
ステラショット2では新たに、星図シミュレーションの日時変更にも対応したので、事前に作成したスケジュールを現場で実行することもできるようになりました。
モザイク撮影
モザイク写野設定により撮影エリアの重なり合いを設定して、広範囲のエリアを連続撮影します。
新たにエリアの重なりを99.5%まで重複させることができるようになったため、ディザリングにも活用可能です。
インターバル撮影
指定した時間間隔で天体を撮影。露出を変えたブラケット撮影や、「月食」では食分補正を行いながらの自動撮影もできます。
待ち伏せ撮影
人工衛星の予測位置に望遠鏡を待機させ、通過タイミングに合わせて撮影。赤道儀では追跡できないISSなどの人工衛星の撮影が容易になりました。
ミラーアップ撮影
ミラーショックを防ぐ「ミラーアップ撮影」に対応しました。
バースト撮影
カメラの連写機能を活用した「バースト撮影」で、短時間に大量の撮影が可能になりました。

ディザリング撮影

ステラショット1.5で対応した、オートガイダーを使ったノイズ軽減のための「ディザリング撮影」も、移動方向を水平・垂直だけでなく斜めにも設定できるようになり、撮像デバイスに合わせた最適なディザリングが可能になりました。

また、「オートガイダーなしでもディザリングがしたい」という要望に応えて、「モザイク撮影」でエリアの重なりを99.5%まで重複させることができるようになりました。写野を0.5%ずつ移動させた画像を得ることができ、これらでディザリングを行うことができます。

微動導入に対応

ドイツ式赤道儀で子午線越え時に行われる望遠鏡の東西入れ替えは、望遠鏡を安全に使うために必要な操作ですが、十分に注意して使っている場合にも一律で反転されてしまうと煩わしくもあります。

ステラショット2では、微動操作を活用することで鏡筒の東西反転をさせず子午線を跨いだ導入を可能にしました。

オートガイドの強化

ガイド星の追従範囲が広くなった他、「天候監視機能」が追加されました。

ガイド星の状態から「曇り」と判断されたら自動的に撮影を中断し、天候回復後に再開できます。

ファイルラベルの設定

ダーク、フラット、テストなどの撮影で、それぞれの撮影画像名にラベルが設定可能になりました。

撮影後に画像を見分けやすく、整理しやすくなりました。

「プリセット」の改善

撮影設定を保存しておける「プリセットボタン」機能では、それぞれに名前をつけて表示することができるようになりました。

「テスト撮影」「本番撮影」など設定ごとにわかりやすい名前をつけておけば、操作で迷うことがありません。