自動化をより進めた最新バージョン

オートストレッチで完璧なカラーバランス

モノクロ冷却CCDによる撮影では、R、G、Bの3色フィルターを取り替えながら撮影し、画像処理でカラー画像に合成するという手順を踏む。しかし、各フィルターの透過率、CCDセンサーの波長による感度差、空の状態など多くのパラメーターがあり、3色のパワーバランスはほとんどの場合、等しくならない。

そこで一般的には色別にレベル調整をして、“ヒストグラムの山”を揃えるが、これだけでは完全とはいえない。山のピークを揃えても山の幅(裾野の広がり)が色によって違うと、背景はニュートラルグレーになるものの、カラーバランスが崩れた作品となってしまう。トーンカーブなどを駆使すれば補正は不可能ではないが、かなりのトライアル&エラーを繰り返す必要がある。

オートストレッチは、「ヒストグラムの山の中心を揃える」ことと「山の幅を揃える」ことを同時に行う機能で、上坂浩光氏が考案・発表したソフトウェアの手法を取り込んだもの。一度パラメータ(カラーフィルター係数)を確定させてしまえば、次回以降はそのパラメータを再利用できるため、ライブラリとして管理できる機能も用意されている。

「オートストレッチ」で色調を自動で整える

「オートストレッチ」で色調を自動で整える 撮像センサーの特性によるカラーバランスのくずれを補正する「オートストレッチ」。背景をニュートラルグレーにしたまま、星雲・星団などの天体対象の色を調整できる。一度設定が決まったらその設定は基本的に何度でも使える。