×

 

活用事例

1

日食観測の遠征先を選ぶ

 

日食観測の観測地選定はなかなか難しいものです。アクセスのしやすさや気象など、考慮すべき要素が多くありますが、最も重要なのは継続時間や皆既・金環の地平高度などの数値です。『エクリプスナビゲータ』は、いくつかの観測候補地の中から、それぞれの日食状況をシミュレーションして比較検討することが簡単にできます。

たとえば「地図」「天空表示」「時刻表」ウィンドウを同時に開きます。天空には高度方位線を表示し、太陽追尾アイコンをアクティブにしておきます。ここで時刻設定を最大食としておけば、地図上を右クリックすることで、 その場所での各接触時刻や継続時間を時刻表ウィンドウで、また食の最大時の太陽高度などを天空表示ウィンドウで確認できます。

 

地図で場所の設定 「地図」を右クリック(またはShift+左クリック)して観測地を選ぶと「時刻表」「天空表示」が自動更新され、日食状況が一目でわかる

 

観測候補地の緯経度がわかっている時は、ファイルに登録しておくと便利です。「観測地の設定ダイアログ」から都市選択をクリックし「都市名ダイアログ」を開き「追加」→「都市の追加」をチェックしてから、経度・緯度・標高・時差を入力して都市を追加すれば、次回から都市を選択するだけで観測地の設定が行えます。

『エクリプスナビゲータ』は、2019年7月2日の南太平洋・チリ・アルゼンチン皆既日食だけでなく、過去および将来の日食をシミュレーションすることができ、今後の日食観測遠征計画を立てることもできます。

 

観測地リストで場所の設定 観測地設定ダイアログから[追加]を選ぶと、新たに観測地を登録することができる

 

Point

過去、および将来の日食をシミュレーションするためには「ベッセル要素」という数値を用います。太陽や月の位置から日食を予報すると複雑な計算が必要になりますが、ベッセル要素(天体暦などに掲載されている)を用いると、より簡略に日食の諸現象を計算することができます。エクリプスナビゲータではデフォルト設定で2019年7月2日の南太平洋・チリ・アルゼンチン皆既日食のベッセル要素が組み込まれていますが、「日食要素」から日食を選ぶことで他の日食をシミュレートすることができます。

皆既帯を通る地域の情報を知りたい場合には「Google Earth」や「Google マップ」を使うと便利です。エクリプスナビゲータでは皆既帯および金環帯をKML形式のファイルに出力し、Google Earthなどで読み込んで表示させることができます。