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秋の星空を楽しもう

秋の星空あれこれ

秋の夜空には「水」に関係した星座が多い

「水」に関係した星座

 秋の星座に水に関係する星座が多いのは、星座のふるさとであるメソポタミア地方で、当時太陽が「みずがめ座」付近を通過するときが雨季だったからと言われています。人々は星空の移り変わりで目印となるよう、この付近に水に関係した星座を置きました。さらに雨によってもたらされる恵みから人々は、星に幸せという名前を多くつけたのです。

※右の星図はクリックすると拡大します。みずがめ座、ガニメデの右肩にあたる星がサダルメリク。「王様の幸せ」という意味です。さらに左肩にあたる星が、サダルスウド。「幸せの中の幸せ」という意味です。

 「みずがめ座」はたいへん古い星座で、バビロニアですでにこの星座の原型が見られます。このあたりの空域は、「うお座」「みなみのうお座」「くじら座」など、水に縁がある星座で占められてます。その中心になるのが、この「みずがめ座」です。

黄道12星座と春分点

星座の中を移動する太陽

 春分の日は、人間の生活にも天文学にも大きなかかわりがあります。たとえば、日本では国民の休日であり、お彼岸の中日としてお墓参りをするのが伝統的になっています。西洋では春の訪れを祝うお祭りが盛んです。また、イランなど、春分の日あるいはその翌日を1年の始まりとする暦を使っている国もあります。

※右の星図はクリックすると拡大します。「星座の中を移動する太陽」

 春分の日に太陽がある場所「春分点」は空の目盛りの基準になります。ですから春分点にはとても重要な役割が与えられていることになるのです。「うお座」は、現在事実上の黄道12星座の第1番目となっています。

 黄道12星座がしっかりまとめられたころ、春分点があったのは東隣の「おひつじ座」でした。そこで12の星座を数えるときには、「おひつじ座」を第1番目にして東まわりに数えることにしたのです。そのとき「うお座」は一番最後の12番目でした。ところが歳差現象によって春分点が移動して、「うお座」に移ってきたのです。ですから、現在、実際には「うお座」が第1番目となっています。そしてかつて第1番目だった「おひつじ座」は、現在は2番目になっています。けれども、もともとの伝統を受け継ぎ、現在も「おひつじ座」から数えることになっています。(アスキー出版局「星座ガイド『秋編』」小林さえか 著/アストロアーツ 編より)

カシオペヤ時計

カシオペヤ時計

 「カシオペヤ座」の性質を知っておくと便利なことがあります。それはカシオペヤの「カ」の星と北極星を結んだ線を時計替わりに使う事ができることです。ただ、この天の時計は、実際に私たちが使っている時計とは針の進み方が逆であること、目盛りの数が倍ある事に注意してください。

※右の星図はクリックすると拡大します。「カシオペヤ時計」

 また、さらに詳しくいうならば、「カ」の星と北極星を結んだ線は、ほぼ赤経0度を通っています。「カ」の星が北極星の真上に来た時自分が場所の恒星時が0時になります。同じようにみていくと、北極星の真下に来たときが12時です。このことを心のどこかに留めておくと、何かのときに役立つかもしれません。(アスキー出版局「星座ガイド『秋編』」小林さえか 著/アストロアーツ 編より)

リアルなイラストとマンガを交えて、宇宙の謎を鋭く解き明かす!「150のQ&Aで解き明かす 宇宙のなぞ研究室」

宇宙のなぞ研究室

 アリストテレスの天球から現代宇宙論まで「150のQ&Aで解き明かす宇宙のなぞ研究室」は、天体や宇宙を理解する上で重要な150の項目を、1ページ単位のQ&A形式で簡潔、明快に解説してます。ページの上半分を文章、下半分にイラストやマンガを配置した斬新なレイアウトの新しいタイプの天文・宇宙ムックです。一般向けですが、中学校高学年以上であれば理解できる内容となっています。