ステラナビゲータ 20周年

ステラナビゲータ 20のトリビア

No. 06「おまえはもう欠けている」

ステラナビゲータの月食では、本影食の開始時刻には月はすでに欠けている。
Yes or No?

月食のシミュレーション画像と実写画像の比較

2010年1月1日の部分月食の、シミュレーション画像(左)と実写画像(右)の比較

天文現象の中でも“食”は人気があります。中でも月食はゆったりと眺めることができるのでいいですよね。満月が徐々に欠けていき、静かに輝きを失いながら赤茶色になっていくところが大自然の荘厳さを感じさせてくれます。

皆既月食を実際に観察してみると、皆既の開始時刻にはすでに欠けて見えますよね。ちょっと損をした気分です。見た目の欠け始めを見逃さないためにも皆既月食の欠け具合を正確に再現しなくてはと、初代ステラナビゲータからリアルな月食を目指しています。当初は「欠け始めなのにすでに欠けている」という問い合わせもかなりありましたが、説明をすると皆さん納得してくれました。

また、月食の欠け始めの影の部分は真っ黒ですが、食が進むと灰色から赤茶色に変わっていきます。次第に影の部分が明るくなっていくように見えますが、実際には月の影の部分が多くなるにつれてコントラストが下がり、そのように見えているわけですね。ステラナビゲータでは、肉眼で見える様子を重視しているので、月食も実際に見える様子を忠実に再現するようにしています。2010年1月1日には、眼視スケッチとデジカメ撮影で月食を記録して、その見え方を元に月食のパラメータを再調整してあります。眼視とデジカメ撮影では欠け具合が違うので、影のパラメータを変えることで両方に対応できるようにしてあります。

なお、観察場所を月に設定して皆既月食の日にすると、月の表面を地球の影が走って、月面が赤くなっていく様子も見ることができます。試してみてください。

(haru-k)

Yes
肉眼で見た様子を正確に再現するため、本影食の開始時刻にはすでに欠けている。