高速化(ベンチマーク)

ステライメージ9は「速い」

「ステライメージ9」では画像処理エンジンを根本から見直し、従来の約3~10倍の高速化を実現しました。 「自動位置合わせ」や「コンポジット」にかかる時間も大幅に短縮。 「ぼかし」「シャープ」などの各種フィルタ処理も、心地よい速さで瞬く間に処理します。

図1のグラフは高速化の一例として「ステライメージ9」と「ステライメージ8(旧製品)」を使用し、RAW現像(前処理)から自動位置合わせ、加算平均コンポジットを実行した場合の処理時間を比較したものです(当社比)。

「ステライメージ9」では一連の処理が、旧製品でのRAW現像(前処理)に要していた時間よりも早く完了しています。 また、新しい画像処理エンジンは CPU 性能を十分に引き出して使用するため、旧製品に比べてお手元のマシンの強みをより活かした画像処理を行っていただけます。

高速化は、時間を生み出します。余裕を持ってじっくりと創造性と向き合い、大切な作品づくりにお役立てください。

「ステライメージ8」「ステライメージ9」を使用した加算平均コンポジット処理時間の比較

図1:「ステライメージ8」「ステライメージ9」を使用した加算平均コンポジット処理時間の比較

【画像】(CR2ファイル、5496 × 3670ピクセル)
  ライト 64枚/ダーク 32枚/フラット 16枚/フラット用ダーク 16枚
【使用 PC のスペック】
  (1)CPU:Intel Core i9-9900K 3.60GHz 8コア/16スレッド/メモリ:16GB /ストレージ:SSD
  (2)CPU:Intel Core i7-7700 3.60GHz 4コア/8スレッド/メモリ:16GB/ストレージ:HDD
【ステライメージ仮想記憶設定】
  最大使用ディスク容量:10000MB
  物理メモリ利用優先度:ステライメージを優先

CPU 性能を存分に引き出す

「ステライメージ9」の画像処理エンジンは CPU のマルチコア/スレッドを十分に活用し、パワフルな画像処理を行います。 「ステライメージ8(旧製品)」ではマルチスレッド処理の対応が機能の一部分に限られていました。 特にコンポジット処理など多枚数を扱う処理時間に関しては、旧製品より多くご要望を頂いており、今回の高速化の要として改良を行いました。

図2は「ステライメージ9」と「ステライメージ8(旧製品)」で画像処理を行っている最中の、CPU パフォーマンス状態を比較したものです。

自動位置合わせ実行中(上)のグラフを見てみましょう。旧製品はノコギリのように使用率が頻繁に高下しています。これは、マルチスレッド処理が部分的であるため効率的に CPU を使用できていないことを示します。 一方「ステライメージ9」では同処理の実行中、まんべんなく CPU 性能を引き出しています。

コンポジットの実行中(下)は、旧製品のグラフはまばらで、複数のスレッドを十分に活かしていません。「ステライメージ9」は全てのスレッドを最大活用し、高速にコンポジットを行っています。

加算平均コンポジットの処理時間を比較

図2:「ステライメージ9」と「ステライメージ8」処理中の CPU パフォーマンスの比較

コンポジット処理速度の比較(動画)

高速化のポイント

CPU は SSE4.1 に対応した世代の CPU である必要があります。 L3 キャッシュが大きな CPU であれば、周辺画素を参照して補正を行う画像処理(画像調整パネル内、ノイズ低減や白飛び補正など)の高速化が期待できます。

メモリは多ければ多いほど望ましいです。 メモリに載る画像枚数が多いほど、画像の切り替え・演算が高速になります。

ストレージは SSD であることが望ましいです。ステライメージはメモリに載せきれない画像をストレージに退避し、画像処理に必要になった段階でメモリに戻す仕組みになっています。 そのため、読み書き性能が高速な SSD を作業領域に指定することで処理時間を短縮することができます。

その他のベンチメーク

「ステライメージ9」と「ステライメージ8(旧製品)」の処理パフォーマンスの違いをご確認いただけます(いずれも当社比)。

【使用 PC のスペック】(共通)
  (1)CPU:Intel Core i9-9900K 3.60GHz 8コア/16スレッド/メモリ:16GB /ストレージ:SSD
  (2)CPU:Intel Core i7-7700 3.60GHz 4コア/8スレッド/メモリ:16GB/ストレージ:HDD
【ステライメージ仮想記憶設定】(共通)
 最大使用ディスク容量:10000MB
 物理メモリ利用優先度:ステライメージを優先

画像読み込み(コンポジットパネル)

画像読み込み(コンポジットパネル)の処理時間を比較

図3:画像読み込み(コンポジットパネル)の処理時間を比較(128枚)

【画像】(CR2 ファイル、5496 × 3670ピクセル):128枚
【詳細】
 - コンポジットパネル(自動処理モード)のリストに画像を追加
 - 画像読み込み(サムネイル表示含む)完了までの時間を計測(5回平均)

ホット/クールピクセル除去

ホット/クールピクセル除去の処理時間を比較

図4:ホット/クールピクセル除去の処理時間を比較(30枚)

【画像】(ベイヤー配列 fits ファイル、5496 × 3670ピクセル):30枚
【詳細】
 - 詳細編集モードで fits ファイルを30枚読み込み、ホット/クールピクセル除去のバッチ処理を実行
 - 全ファイル完了までの時間を計測(5回平均)

スターエンハンス

スターエンハンスの処理時間を比較

図5:スターエンハンスの処理時間を比較(1枚あたり)

【画像】(カラー fits ファイル、5205 × 3473ピクセル)
【詳細】
 - 詳細編集モードで fits ファイルを10枚読み込み、スターエンハンス処理を一括実行(ワークフロー)
 - 全ファイル完了までの時間を計測し、1枚あたりの処理時間を算出(5回平均)

ぼかし(ガウス)

ぼかし(ガウス)の処理時間を比較

図6:ぼかし(ガウス)の処理時間を比較(1枚あたり)

【画像】(カラー fits ファイル、5205 × 3473ピクセル)
【詳細】
 - 詳細編集モードで fits ファイルを10枚読み込み、ぼかし(ガウス)処理を一括実行(ワークフロー)
 - 全ファイル完了までの時間を計測し、1枚あたりの処理時間を算出(5回平均)

画像回転

画像回転の処理時間を比較

図7:画像回転の処理時間を比較(1枚あたり)

【画像】(カラー fits ファイル、5205 × 3473ピクセル)
【詳細】
 - 詳細編集モードで fits ファイルを10枚読み込み、画像回転(時計回り、回転角:30度指定)処理を一括実行(ワークフロー)
 - 全ファイル完了までの時間を計測し、1枚あたりの処理時間を算出(5回平均)