【1998年1月27日 APL Space Department発】
「小惑星探査機NEAR、地球でスイングバイ」
でお知らせした通り、NASAの小惑星探査機NEAR(Near Earth Asteroid Rendezvous)が、
1月22〜23日にかけて地球の引力を利用したスイングバイを行なった。
その際、世界各地で、地球に接近しているこの探査機を地上から観測することに
成功した。
これは、惑星探査機としては初めてのことである。
また、地球と月をNEARに搭載されているマルチスペクトルイメージャー(MSI)によって撮像することにも成功した。NEARはこの後、最終目的である小惑星エロスに向かって飛行を続ける。
(以下の画像はすべてジョン・ホプキンス大学応用物理学研究所提供)
この画像はニューメキシコ州のカートラン空軍基地にて、1月23日の世界時6時38分 48秒〜50秒に撮影されたもので、この時探査機は地上から2万km弱のところを 時速9km強で通過していた。
地球から約21万キロメートル離れたところで撮像した地球の姿。青、緑、赤外線フィルターを通して撮像した画像を合成したもの。これらのフィルターを使うことにより、岩石や水、植物の有無などが分かる。
画像中心には南極大陸が見える。画像左に赤茶色をした部分が見えるが、これは南アメリカ大陸の植物生息をあらわしている。
地球から約40万キロメートル離れたところで撮像した地球と月の姿。NEARから撮像された地球と月の合成画像で、月はじっさいよりも地球との距離が10倍近くに、また5倍ほど明るくあらわされている。
http://hurlbut.jhuapl.edu/NEAR/