池谷・張彗星(2002年) 153P

2002年2月1日に静岡のベテランコメットハンター池谷さんと中国の張さんが発見した彗星で、同年3〜4月には双眼鏡でも簡単に見られる明るさになりました。池谷さんの34年ぶりの彗星発見も話題になりました。


(田村竜一氏撮影の池谷・張彗星の写真)

撮影者:
田村 竜一
撮影日時:
2002年4月14日 3時10分、露出 7分
撮影地:
高知県高岡郡 天狗高原
撮影機材等:
ミノルタ SRT-101、タムロン 300mm F2.8開放、フジカラー 1600HG、ガイド撮影
撮影者コメント:

最高の星空のもとで池谷・張彗星を見たくて天狗高原(高知県)まで遠征しました。夕方に到着したのですが興奮して眠れません。明け方に北東の空に昇ってきた時、肉眼で確認できました。双眼鏡でみると美しく百武第2彗星の姿にとてもよく似ていました。亡くなられた百武氏がこの彗星にのって天界に昇っていくかのようでした。


アドビシステムズ賞

(青島靖氏撮影の池谷・張彗星の写真)

タイトル:
「激変した池谷・張彗星」
撮影者:
青島 靖
撮影日時:
2002年4月19日 (左)2時0分、露出 15分、(右)3時45分、露出 12分
撮影地:
石川県白峰村
撮影機材等:
アサヒペンタックス 67、SMCタクマー 165mm F2.8開放、フジクローム プロビア400F、ケンコー スカイメモNSによる自動ガイド
Photoshop5.0Jで画像処理
撮影者コメント:

このわずか2時間での変貌は現像が上がってから知り、驚いた(11×80 双眼鏡の眼視観察では、全く気付かなかった)。当時、石川では天気がもうひとつで、2つのコマ間は雲に覆われて撮影できなかったが、後日、新潟の沼澤茂美さんが、この間の、より高い(時間、空間共)分解能での撮影に成功されていたことを知る。それによると、この変化は午前3時以降のわずか30分以内に起こったものらしい。イオンテイルの大きな変化は百武彗星他でも見てきたが、それらはせいぜい1日単位の変化と思っていた。その認識を覆され、改めて彗星とは「目の離せない」代物であることを思い知らされた。

まだ記憶に新しい池谷・張彗星のイオンテイルの変化を捉えています。意外性というのが彗星の興味深いところでしょう。プリントでの応募でしたが、スキャン担当者が「一番印象に残った」とコメントしていました。(編集部)


(大内孝氏撮影の池谷・張彗星の写真)

撮影者:
大内 孝
撮影日時:
2002年4月13日 3時50分、露出 1分
撮影地:
長野県 タングラム斑尾
撮影機材等:
ミノルタ α-9、AF 35mm F1.4G→2.0、プロビア 400F(+2増感)、タカハシ TG-SP電動追尾
撮影者コメント:

星空のリゾートホテルでは安眠できない。3時に起きてみると北東の空に彗星が昇っていた。明け方で高度も高くなり(3:50、25度)、やっとこれまでにないクリヤーな姿が撮れた。M31も丁度万坂峠に顔を出してくれた。


(白井巌氏撮影の池谷・張彗星の写真)

撮影者:
白井 巌
撮影日時:
2002年5月5日 2時25分
撮影地:
宮城県富谷町
撮影機材等:
ニコン F2、タカハシ ε-210(fl=628mm F3.0)、コダック エクタクロームE200、タカハシ NJP + Temmaにて追尾
撮影者コメント:

この日の撮影は、北極星付近に光度5等台の彗星が、双眼鏡で確認できました。ほぼ天頂付近での、撮影条件、良好…望遠鏡の実視ではこのように見えていました。


(大岩美嗣氏撮影の池谷・張彗星の写真)

撮影者:
大岩 美嗣
撮影日時:
2002年4月14日 3時、露出 10分×3コマコンポジット
撮影地:
和歌山県 護摩壇山
撮影機材等:
ニコン F2、ニッコール 135mm F2.0→3.5、フジカラー400、タカハシ P2Zで電動追尾
撮影者コメント:

2002年春は黄砂がひどかったうえに天候にもあまり恵まれなかったように思います。この夜も春霞の中でしたが護摩壇山にはたくさんの天文ファンが訪れておりました。


(増谷幸成氏撮影の池谷・張彗星の写真)

撮影者:
増谷 幸成
撮影日時:
2002年3月19日 19時23分、露出 1分
撮影地:
奈良県吉野郡天川村洞川
撮影機材等:
ZEN社 ベーカー・シュミットカメラ(D=20cm F2)、BJ-32C(白黒、-10度冷却、2×2ビニング)
撮影者コメント:

この彗星発見のニュースは、懐かしい方に出会ったようなそんな思いがしました。35年ぶりの池谷さん発見の彗星ですが、明るく立派な姿を楽しませてくれました。西の山に沈みゆく姿がとても印象的でした。


(鈴木孝征氏撮影の池谷・張彗星の写真)

撮影者:
鈴木 孝征
撮影日時:
2002年4月13日 3時50分0秒、露出 15分
撮影地:
静岡県水窪町 扇平山
撮影機材等:
ε-250c(F3.4)、(フィルム)コダック E100S、ST-4で彗星核追尾
撮影者コメント:

サラリーマンが自由になれる時間は土日の休日だけでしょう。その日が月が隠れて且つ晴れることは少なく、ましてや出会う彗星は一期一会、撮影絶好期は限られてしまいます。池谷・張彗星においてもなかなか思いを遂げられず通うこと幾たび。奇しくも6年前の同、4月13日(土曜日)に百武第2彗星を捉えていたのです。よって今では私の幸運の日となっています。


(沼尻裕氏撮影の池谷・張彗星の写真)

撮影者:
沼尻 裕
撮影日時:
2002年4月18日 27時20分、露出 20分
撮影地:
長野県下伊那郡
撮影機材等:
ペンタックス 100SDUF(fl=400mm F4)、コダック エクタクロームE200(2倍増感)、タカハシ EM-200赤道儀 + ST-4により彗星核ガイド
ニコン LS-4000によりスキャン後、Photoshop7.0を使用して画像処理
撮影者コメント:

ヘール・ボップ彗星以来、大彗星と呼べる彗星は現れていませんが、池谷・張彗星は大関か関脇クラスに相当する、見事な彗星だったと思います。肉眼でも良く見え、双眼鏡や望遠鏡で見ると、頭部がキラキラと輝き、非常にきれいでした。曇天の中を待ち続け、薄明開始前に30分間だけ晴れた時にすかさず撮影した、執念の1枚です。真っ直ぐに伸びていた尾が、この日だけは複雑に曲がっていて、珍しい写真になりました。


(田中千秋氏撮影の池谷・張彗星の写真)

撮影者:
田中 千秋
撮影日時:
2002年3月20日 19時20分、露出 7分
撮影機材等:
ニコン NewFM2、ニッコール 300mm F2.8開放、フジカラー、タカハシ 90S赤道儀にて電動追尾
撮影者コメント:

ヘール・ボップ彗星に比べると小さく暗く見えたといえますが、しかし肉眼で充分に見つけられる明るさになりました。尾が長く伸びたのが印象的でした。


(池田富士夫氏撮影の池谷・張彗星の写真)

撮影者:
池田 富士夫
撮影日時:
2002年4月14日 3時10分、露出 2分×4枚コンポジット
撮影地:
山梨県 八ヶ岳山麓付近
撮影機材等:
ペンタックス 75EDHF、×0.72RD(合成F4.8)、ビクセン GP赤道儀、自動ガイド、コニカ CENTURIA800
撮影者コメント:

この日は肉眼では確認できませんでしたが双眼鏡では左上に伸びる尾を確認できました。実視ではいつ見ても写真では味わえない神秘的な臨場感を感じます。低空の春霞を通しての撮影となりました。