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小惑星ロベルタによる
恒星の掩蔽の改良予報


【1998年11月27日 佐藤 勲 氏 ONM No.390】

 USNOでの10月17日〜11月15日までの観測によると、12月3日(木)に小惑星(335)Roberta(13.5等)によるHIP034947(7.26等)の掩蔽が、同日30h29m0sごろ、四国および九州北部で見られることがわかりました。 徳島県、高知県、愛媛県、山口県、福岡県、大分県、佐賀県、長崎県、熊本県などが可能性圏内にあります。 予報の精度は非常に良く、小惑星の大きさの半分の精度があります。

掩蔽帯図掩蔽帯図
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 小惑星の推定直径は94kmで、現象が起これば最長10秒間にわたって6.2等級の減光が起こりますが、既に日出前の常用薄明が始まっていて空がかなり明るく、7等とはいえ観測はかなり難しいものと思われます。 恒星の位置は、赤経07h13m53s0, 赤緯+16°34'49"で、ふたご座にあります。 この現象は、配布した年間予報にはありません。

 眼視観測の場合、JJYまたは電話時報を受信し、時報と現象が起こった時の声を録音して、後で再生して潜入と出現の時刻を0.1秒単位で求めます。 現象を見てから声が出るまでの反応時間は、適当に見積もって補正します。 眼視観測は信頼性が低いので、近くの人とペアを組んで2人以上で観測すると、信頼性が向上します。 ビデオ観測の場合は、なるべくI.I.を使用し、時報を同時録音します。 周囲の星が映るような倍率で観測すると、雲の通過による減光を区別することができます。

 この情報は、お近くの観測者にも伝え、なるべく多くの観測が得られるよう御協力下さい。 観測報告は、現象が起こらなくても、曇っても、佐藤勲氏(satoois@cc.nao.ac.jp)まで是非御報告下さい。


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