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誠報社オリジナル、実勢移動撮影システム完成


 株式会社誠報社は、オリジナル実勢移動撮影システムとして、スカイセンサー2000と組み合わせた、ペンタックスMS55i赤道儀、タカハシNJP赤道儀の販売を開始する。同社は、NZ高精度シリーズをはじめとして、天体撮影システムの販売・開発では、常に天体写真愛好家をリードしてきた存在だ。今回発表された、最新の自動導入システムと同社が持つ天体撮影のノウハウを活かした「実勢移動システム」に大いに期待したい。

BORG76TR画像
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●タカハシNJP用実勢移動撮影システム
 ビクセンスカイセンサー2000を使って、タカハシNJP赤道儀で自動導入を行なうためのシステム。モータはスカイセンサーに付属のものを使用する。導入方法は、対象となる近くの基準星を視野中央に導入し、スカイセンサー2000に設定。次に対象とする天体の位置あるいは、天体名を入力すると、自動的にモーターが駆動され、対象となる天体が自動的に導入される。駆動速度は、赤経軸が対恒星時80倍程度、赤緯軸が対恒星時180〜200倍程度。モーターへの負荷や寿命を考慮して、やや低速度に設定されているが、ほとんどの天体は、約1分ほどで導入できる。見えづらい天体の導入や、複数天体を同一写野におさめるための構図決めなどに重宝するだろう。
 左上写真は、タカハシNJP+スカイセンサー2000+FS128、左下写真では、試作品のためモーターおよびギアがむき出しとなっているが、製品ではカバーされる。
 また、オリジナル説明書とビデオがついているので、操作手順をマスターすることも、容易いだろう。
 価格は、¥178,000(スカイセンサー2000・タカハシNJP仕様)ただし、タカハシのモータードライブPD7をお持ちの場合は、取付金具の一部が兼用できるため、\168,000となる。


●ペンタックスMS55i用実勢移動撮影システム
 ビクセンスカイセンサー2000を使って、ペンタックスMS55i赤道儀で自動導入を行なうためのシステム。モータはMS55iのものを使用し、赤道儀本体はノーマルのまま使用できる。導入方法は、NJP仕様のものと同じで、対象となる近くの基準星を視野中央に導入し、スカイセンサー2000に設定。次に対象とする天体の位置あるいは、天体名を入力すると、自動的にモーターが駆動され、対象となる天体が自動的に導入される。駆動速度は、両軸とも対恒星時90倍程度。(粗動は300倍速で行なえる)NJP仕様のものに対してやや低速度に設定されているが、これは、同架できる望遠鏡の重量がNJPより大きいため、モーターや駆動系への負荷を考慮して、低速度に設定されている。(赤道儀を高速で駆動するさい、モーターへの負荷が一番かかるのは、モーターをスタートするときである。スカイセンサー2000の自動導入モードでは、モーターをスタートさせるさいに、徐々に回転速度をあげるなどの、モータ回転開始時の負荷を減らすための制御をサポートしていない。これが、自動導入の高速回転を行なえない要因のひとつにもなっている。しかし、そういった制御を行なうことで、自動導入の精度を下げたくないというメーカー側の思惑もあることも付け加えておく。)
 右上写真は、ペンタックスMS55i+スカイセンサー2000+ペンタックス150SDPで、実際に山田啓作氏が撮影に使用されているもの。右下写真は、制御ボックスとコントローラで、モータにかかる電圧によって自動的に、スカイセンサーからの信号と、恒星時と粗動を司るMS55iコントローラを切り替えるしくみ。2つのLEDパネルはこの電圧を表示、設定するものだが、製品ではブラックボックス化される。また、このシステムには、NZ高性能シリーズ・ST4監視コントローラの機能も備わっており、ST4での自動ガイドを高精度で行なうこともできる。電源はAC100Vを必要とする。
  この製品は、受注生産となるため、価格、納期などは、株式会社誠報社・遠藤秀まで問い合わせてほしいとのこと。
BORG76TR画像
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問い合わせ先:
株式会社誠報社・光学事業部・担当:遠藤秀
 〒101 東京都千代田区三崎町2-15-5
セントバンフビル2F
TEL:03-3234-1033


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