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文部省国立天文台ハワイ観測所発足記念式典


【1997年6月15日 国立天文台発】
文部省国立天文台では、ハワイ観測所の発足と研究実験棟の完成を祝って、 現地時間6月12日午後4時からハワイ島ヒロ市にて記念式典を行った。 ハワイ観測所は日本で初めて海外に設置された研究施設であり、本年4月1日付けで 発足した。

ハワイ観測所の研究実験棟(延べ床面積約3,400平米)は、ハワイ大学ヒロ校サイエンス パーク内に建設され、研究室、事務室、図書室、会議室、実験室、機械工作室、 計算機室などが配置されている。計算機室には、スーパーコンピュータと、150テラ バイト(フロッピーディスク1億枚分)の超大規模データ貯蔵装置が備えられている。

ハワイ観測所は、標高4,130mのマウナケア山頂に建設中のすばる望遠鏡を 用いて、宇宙初期における原始銀河の形成や惑星系の起源の解明など、光学赤 外線天文学分野の最先端の観測研究所及び開発研究を行う。海部宣男所長のもと、 平成9年度に日本からの赴任者24名を予定している。すばる望遠鏡は、単一鏡として は世界最大の口径8.3mを持つ光学赤外線望遠鏡で、2000年(平成12年度)から 本格的な運用を開始する予定である。

写真 国立天文台ハワイ観測所研究実験棟全景
1997年3月に完成した国立天文台ハワイ観測所研究実験棟(ハワイ島ヒロ市)の全景。(航空写真)
写真 すばる望遠鏡
ドーム正面のスリットが開けられた状態。すばる望遠鏡本体の構造は、ドーム内部でほぼ組みあがり、ケーブル配線などの作業が進んでいる。今年夏から望遠鏡の運転制御のテストに入り、来年前半に鏡が搬入され、来年後半にはファーストライトを迎えて試験観測に入る。
写真 山頂全景
マウナケア山頂、標高4,130mの高地に作られたすばる望遠鏡ドームと観測制御棟全景。ドーム内部の気流や温度を制御し、観測に最適な条件を実現する新型ドームであり、風速78m/秒に耐える構造となっている。
写真 マウナケア山頂のヘール・ボップ彗星
マウナケア山頂のすばる望遠鏡(中央左)とケック望遠鏡(右の2基)にかかるヘール・ボップ彗星。


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