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まだまだ活発なヘール・ボップ彗星


【1997年 5月15日 国立天文台広報普及室

国立天文台のヘール・ボップ彗星観測チームが、 国立天文台三鷹キャンパスにある口径50cm社会教育用公開望遠鏡に 冷却CCDカメラを用いて、ヘール・ボップ彗星から突如、 大量の塵が放出され、それがしだいに拡散していくようすを 捉えることに成功したと発表した。

塵の放出は5月7日から8日の間に起きたと思われ、 9日の観測では放出された濃い塵の雲の中心は、彗星核から約15秒角 (実長2万1千km)ほどの距離にあり、まるで彗星核がもうひとつあるように 見えていた。翌10日の画像では塵雲は太陽光圧によって 反太陽方向へ拡散しながら伸びていくようすが捉えられている。 この時のヘール・ボップ彗星は、太陽からの距離が約1.1天文単位 (約1億7100万km)で、どんどん太陽から遠ざかっているが、 それでもこのような大量の塵を放出するということは、 同彗星がまだまだ活発であることを示している。

ヘール・ボップ彗星は現在、夕方の西空低くにあり、 観測はきびしい状況だが、5月7〜10日あたりに彗星核のクローズアップ写真を 撮られた方は、核周辺の変化に注目してみてはどうだろう。

この一連の変化をまとめた画像は、国立天文台WEBページにて公開されている。

http://www.nao.ac.jp/pio/Comets/HB/hb9705index.html


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