News
SOHOが発見したクロイツ群の彗星たち


【1997年 5月10日 IAUC 6653, M.P.E.C. 1997-J06, M.P.E.C. 1997-J07, M.P.E.C. 1997-J08, M.P.E.C. 1997-J09

太陽観測衛星SOHOによって昨年中に発見された4つの彗星が正式に登録された。 各彗星の発見日と符号は次の表のとおりになる。 通称はすべて「SOHO彗星」となる。

発見日符号
1996年8月20日C/1996 Q2
1996年8月30日C/1996 Q3
1996年9月22日C/1996 S3
1996年12月22日C/1996 Y1

今回登録された彗星たちはいずれも広角分光コロナグラフLASCOによって、 太陽のごく近くで発見されたものだ。 これらは計算された軌道要素から、「 クロイツ群 」の一員であることがわかった。 クロイツ群とは、太陽をかすめる同じような軌道を持つ一連の彗星群のことで、 1882年の9月の大彗星や1965年の池谷- 関彗星のような、過去に現われたいくつもの 大彗星がよく知られている。 最近は人工衛星による太陽観測の際にいくつものクロイツ群彗星が発見されている が、いずれも暗い彗星のため地上からは観測できていない。



4つの彗星の軌道図

SOHOは1996年8月から1997年1月の間に7個の彗星を発見し、その情報を SOHO/LASCOのホームページ で公開していた。 しかし位置を測定して国際天文連合に報告していなかったため、軌道要素が 計算できず、これまでは正式に彗星として登録されていなかった。 今回登録されたのは、SOHOが発見したうちの1,2,3,6番目である。

※ SOHOは1995年12月にNASA(アメリカ航空宇宙局)とESA(ヨーロッパ宇宙機関)が 共同で打ち上げた太陽観測衛星。
SOHOについて詳しくは、Naval Research Laboratory の SOHO/LASCO のホームページを参照。

http://lasco-www.nrl.navy.mil/lasco.html


 AstroArts Copyright(C) AstroArts Inc. All rights reserved.