ステライメージ Ver.5
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デジタルカメラの RAW 画像でダーク補正を行なうと微光星が緑っぽくなる

問題
デジタルカメラの RAW 画像をベイヤー配列のままステライメージで読み込み、ダーク補正を行なってからベイヤー RGB 変換を行なうと、暗い星が緑色になってしまいます。

回答
デジタルカメラの RAW 画像の特性上、RAW の状態でダーク減算を行なうとベイヤー RGB 変換後に微光星が緑がかることがありますが、これは下記の理由である程度は避けられないものです。
ただし、ベイヤー RGB 変換する前に RAW 画像のトーンカーブを調整することで、緑がかるのをある程度抑制することはできます。

●暗い星が緑色になる原因
一般にベイヤー配列の画像では R,B 画素に比べて G 画素のカウント値がかなり明るい場合が多くなっています。これは主にデジタルカメラの撮像素子に乗っている色フィルタの分光感度特性によるものです。
一方、ダーク画像の RAW の場合には、画素の色によらずランダムにダークノイズが発生するため、どの色の画素もほぼ同じカウント値になっています。
従って、このような両者を引き算してダーク補正しますと、相対的に明るい G 画素のカウント値のみが残り、R,B 画素のカウント値は相対的に少なくなります。特に元々カウント値が少ない微光星の部分ほど、ダーク減算後は G のカウント値だけが残ってR,B はほとんどなくなってしまい、結果的に暗い星ほど緑色に見えてしまうことになります。
ここで、カメラメーカー純正の RAW 現像ソフトの場合には、このような色フィルタや撮像素子自体の特性、人間の目の感度特性などを考慮して、ベイヤー RGB 変換を行なう前後に各画素値の補正を行なって自然な色調を保っているものと思われます。
しかしステライメージでは、

  • 撮像素子や色フィルタの特性についての情報がメーカーから開示されていない
  • 正確にダークノイズのみを減算する必要がある

といった理由からこのような補正は一切入れておりませんので、結果的にカラーバランスが崩れてしまうことになります。

●対策
このような微光星の緑色を抑制するには、ベイヤー配列での一次処理(ホット/クールピクセル補正とダーク・フラット補正)を終えた後、ベイヤー RGB 変換を行なう前の段階で、ベイヤー配列画像のトーンカーブを調整する方法が有効です。
前述の通り、暗い星が緑色になってしまうのは R,B 画素が G 画素よりも系統的に暗いのが原因ですので、ベイヤー RGB 変換する前の段階で、[階調] - [トーンカーブ調整] を使って、トーンカーブを「上に凸」の状態に曲げます。
こうすると、画像の明るい部分(G 画素が多く含まれる部分)の明るさをそのままに保ったまま、暗い部分(R,B 画素が多く含まれる部分)の明るさを相対的に引き上げることになりますので、G と R,B のアンバランスな状態をある程度改善することが できます。
このような調整を行なった後でベイヤー RGB 変換して頂くと、微光星の緑がかりを抑えられると思います。
(ただし、ベイヤー RGB 変換前にトーンカーブをいじることで画像全体の色調がずれてしまう場合がありますので、その場合にはベイヤー RGB 変換でカラー化が終わった後で、もう一度 R,G,B ごとにトーンカーブ調整を行なうなどして微調整して頂く必要があります。)

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