2010年9月

今月のさんぽ先中秋の名月

夏のさっぱりしたメニューはそろそろおしまい。秋の味覚を食卓に並べる季節です。おいしいものは、月にも分けてあげましょう。月を想い、月に食べ物をお供えする。それだけで夜空までもが味わい深いものとなり、ちょっぴり豊かな気持ちになれるものです。でも、お腹が鳴ってしまったら、月より団子かもしれませんね。

月を見て何を想う

月を見るには何の知識もいりません。ぼんやり眺めるだけでよし。想像をめぐらせるのも、歌を口ずさむのも自由です。人間は昔々からそうして月と向かい合い、神話、伝説、風習など、さまざまなものに月を取り入れ、月とともに暮らしてきました。

月を見つめて気づくことは、月には模様があるということです。この模様、日本ではうさぎの餅つきに見立てられていますが、世界各地にはいろいろな見方があり、例えば南米ではワニ、北欧では本を読むおばあさん、アラビア地域ではライオン、という具合。

月面のうす暗い模様の部分は、水はないけど「月の海」と呼ばれています。これまた想像力を刺激する呼び名ですね。

月の海

月は肉眼で模様が見える唯一の天体。

とうちゃん、またお腹が出てきた?

ああ、最近、飲み会が多くてなあ。体型、かっこ悪いか。

ちがうよ心配してるんだよ。おなかが満月みたいだよ。ボヨ〜ン。

じゃあ食事の量を半分にすれば半月か。

いや、このお腹を半分にするにはもっと…あ、とうちゃんそれ、ぼくの団子!

月夜の明るさを楽しもう

中秋の名月は必ずしも満月ではありません。たとえば2010年の中秋の名月は9月22日ですが、満月は翌日23日の18時17分で、1日ほど違っています。この差は中秋の名月の決め方と、満月の定義の違いから生じています(参考: 「現象ガイド:2010年9月22日 中秋の名月」)。

わずかに満ちきっていなくても、ほぼ丸い月ということでは似たようなものに見えますが、じつは明るさには違いがあります。今年の中秋の名月の夜は、月が約10°斜めから照らされていて、翌日の満月よりも16%ほど暗く見える状態です。

満月から3日前(もしくは3日後)には、さらに斜めから照らされていて、月の明るさは約半分しかありません。7〜8日ほど前(または後)には半月ですが、半月の輝きは満月の半分よりもずっと暗く、12分の1以下に落ち込みます。

つまり満月は圧倒的に明るくて、数日ずれるとずいぶん暗いということです。月の明るさが変わっていくことは都会の夜空ではわかりにくいかもしれませんが、お月見をするときは部屋の明かりやライトを消して、月の光を体で感じて楽しみましょう。

地球から見た名月と満月の位置

2010年の「中秋の名月」は満月の約1日前で、約10°斜めから照らされた月を見ていることになる。

星空ナビでお月見しよう

きょうの月をしらべよう

こよみ 「こよみ」画面ではきょうの月の出・月の入り・月齢(当日正午のもの)などがすばやくわかる。(上画面)

こよみ下画面の日時設定では新月と満月の日がぱっとわかる。日付を変えれば月齢などもすぐに出てくる。(下画面)

月はどっちに出ている?

星をさがそう月が空のどこに出てるの?というときは「星をさがそう」で月をえらぶ。月は[太陽系]の中にある。(下画面)

星をさがそう矢印が月の方向をおしえてくれる。ついでに太陽もさがしてみれば、月の照らされかたもナットクだ。(上画面)

月の見え方がまるわかり

星座早見「星座早見」で月をみよう。[太陽系]から[月]をえらぶ。(下画面)

星座早見上画面に月が入る。[A]ボタンで拡大できる。拡大したら[X]ボタンでロックしよう。(上画面)

星座早見 下画面で日付や時刻を変えてみよう。月が実際に満月になる23日18時17分に合わせてみる。(下画面)

星座早見 月のうごき、微妙な欠け方、月の海の見え方までチェックできる。(上画面)