久し振りに、眼視で新彗星が発見されました。4月22日に、アメリカ、ミシガン州、 ウォルバライン(Wolverine)のストーンハウス(Stonehouse,Patrick L.)が、口径44セン チの反射望遠鏡で発見したものです。彗星は12等の明るさで、「へび座(頭部)」にあっ て、北西に移動しているということでした。コマは拡散状で、僅かに中央集光があると 報告されています。初めの報告は位置の精度が不十分であったため、確認観測にちょっ と手間取りましたが、発見者のその後の報告に基づいてさらに捜索がおこなわれ、確認 されました。確認観測では、10分ほどの長さの尾が南々西に伸びているのが見られてい ます。この彗星の認識符号は C/1998 H1 で、通称はストーンハウス彗星です。
これまでの観測から求められた暫定放物線軌道と、それに基づく予報位置はつぎのと おりです。今後は地球からも太陽からも遠ざかりますから、特に明るくなることはあり ません。
近日点通過時刻 = 1998 Apr. 14.205 TT | 近日点引数 = 1ĉ.146 |
昇交点黄経 = 222ĉ.103 (2000.0) | |
近日点距離 = 1.48678 AU | 軌道傾斜角 = 104ĉ.668 |
日付 赤経(2000.0)赤緯 地心距離 日心距離 太陽離角 明るさ 1998 時 分 度 分 AU AU 度 等 May 2 14 52.47 +24 30.0 0.589 1.508 140.0 10.6 7 14 20.75 +33 24.7 0.667 1.521 129.2 10.9 12 13 52.25 +39 33.7 0.766 1.537 119.3 11.3 17 13 27.92 +43 37.8 0.878 1.557 110.8 11.6 22 13 7.95 +46 16.7 0.997 1.579 103.5 12.0 27 12 52.05 +47 59.5 1.121 1.603 97.3 12.3 June 1 12 39.71 +49 5.8 1.245 1.630 91.8 12.6 6 12 30.36 +49 48.4 1.369 1.660 86.9 12.9 11 12 23.50 +50 15.2 1.492 1.691 82.5 13.2 16 12 18.68 +50 31.5 1.611 1.725 78.5 13.4 21 12 15.55 +50 40.8 1.728 1.760 74.8 13.6 26 12 13.85 +50 45.4 1.841 1.797 71.4 13.9
参照 | IAUC 6883(Apr.26,1998) |
IAUC 6884(Apr.26,1998) | |
IAUC 6887(Apr.28,1998) | |
MPEC 98h29(Apr.27,1998) |
1998年4月30日 国立天文台・広報普及室