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ルナ・プロスペクターが、月の極の氷に関する証拠を発見


NASAの月探査衛星ルナ・プロスペクターの観測によって、月の極付近に氷状の水が 存在する可能性の高いことが判明した。
アメリカは1994年にアメリカ海軍主導のもと、クレメンタイン(軍事・科学目的衛星) を打ち上げ、同衛星により月に水が存在する可能性が指摘された。 しかし、その後の研究から、月に水が存在する可能性は低いのではないか と言われていた。

今回のルナ・スペクターによる発見はこうした問題に一石を投じる結果となった。
月の両極の水氷の存在は、ルナ・プロスペクターの中性子分光計からの データによって得られたもので、同衛星に搭載されているほかの機器も使い、 水の氷に月の岩石が0.3〜1パーセントほど含まれたかたちで、 月の極地方に制限されて存在していることが判明した。
さらに、月の北極には南極の2倍の水の氷が存在することも分かった。

今回、得られたデータから、月には少なくとも330万トンの水が存在するのではないか と見られている。また、氷の厚さが0.5メートル (これはルナ・プロスペクターに搭載された中性子分光器の浸透限界深度) だと仮定すると、だいたい1000万トンから1億トンほどもの量の水が 月には存在することになる。
これは、約1000組の2人世帯が100年間使う水の総量に匹敵するものである。
これにより、人類は月に進出する際の「水の確保」という大きな課題が ある程度解決したことになる。

ルナ・プロスペクターは今後も約10か月にわたって月の観測にあたり、 さらに多くの月のなぞを解明していく予定だ。

ルナプロスペクターの撮像した月の極付近



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